【スノボ】戸塚優斗 金メダル獲得 三度目の正直で歓喜の涙「やっと報われた」

[ 2026年2月15日 02:00 ]

ミラノ・コルティナ冬季五輪第8日   スノーボード男子ハーフパイプ決勝 ( 2026年2月13日    リビーニョ・スノーパーク )

<ミラノ・コルティナ五輪 スノーボード男子ハーフパイプ決勝>金メダルを手に笑顔の戸塚優斗(撮影・小海途 良幹)
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 男子ハーフパイプ(HP)決勝が13日に行われ、3大会連続代表の戸塚優斗(24=ヨネックス)が95・00点で自身初の金メダルを獲得した。初出場の山田琉聖(19=チームJWSC)が3位に入り、同種目では14年ソチ以来3大会ぶりに複数表彰台の快挙となった。また、フィギュア男子もダブル表彰台。冬季五輪の日本選手団が同日に2カ所で複数メダルを獲得するのは史上初で、文字通りのメダルラッシュとなった。

 過去2大会は2桁順位。五輪にまつわる苦しい記憶が、喜びの涙で洗い流された。全人類が初めて目の当たりにする超ハイレベルな争い。三度目の正直で、前回の平野歩夢に続く日本勢2大会連続の頂点に立った戸塚は「本当に夢の一つがかなった。五輪ではうまく滑れず、ずっと苦しんできたが、やっと報われた」と感極まりながら語った。

 勇気ある決断が、悲願成就への第一歩となった。今季は逆スタンスから背中側に飛ぶスイッチバックの技を一発目に持っていくルーティンで戦ってきたが、「みんながやり始めて点数が出ない要因になっていた」と独創性を重視する採点の傾向も踏まえ、開幕直前のスイス合宿の最終日に「(普段と)逆から入ろう」と決断。イタリアへと乗り込んだ。

 決勝1回目。普段と反対の壁から競技を開始すると、2発目に斜め軸に縦3回転、横4回転する大技トリプルコーク(TC)1440、3発目は独創的な縦回転技を入れて91・00点。2番手で迎えた2回目は、一発目を逆スタンスのTC1440にアップグレード。「公開練習3日間で一回しか立っていなかった」技を、本番で決めきる勝負強さを見せつけて95・00点。雄叫びを上げ、ガッツポーズを繰り返した。

 決断できた理由は、戸塚の類いまれな技術と対応力があってこそ。小学生の頃から運動神経抜群。アイスホッケーでスピードに乗る技術や度胸を培い、10代まで指導した三井真紀さんは「技術は天性。イメージしたことを体で表現できる子だった」と述懐する。高1の時、スイッチバック・ダブルコーク1080に成功。平野流も「自分がずっと練習して、やっとできた技。優斗は“俺もやってみるわ”と言って何回かでできた。うそやろ?と思った」と舌を巻いたほど。五輪を夢見た少年時代から積み上げた技術と体力が、一番輝くメダルにつながった。

 2度目の大きな失意を味わった北京五輪後は、精神的にも大きく成長。金メダルは「めちゃくちゃ重いです。いろんな人の気持ちだったり、支えてもらった感謝の気持ちが詰まっているので」と言った。かつては人見知りであいさつができず、罰として大嫌いなキュウリを泣きながら食べていた少年は、深々と頭を下げて、取材エリアを後にした。

 ☆生まれ 2001年(平13)9月27日生まれ、横浜市出身の24歳。

 ☆サイズ 身長1メートル69、63キロ。

 ☆競技歴 両親の影響で3歳でスノーボードを開始。小3でハーフパイプを始め、16歳で出場した18年平昌五輪は11位。20~21年シーズンは出場した全大会を制するパーフェクトも、22年北京五輪は10位。W杯通算9勝。

 ☆趣味 料理の腕前はプロ並みで、他の選手から「戸塚シェフ」と呼ばれる。得意料理は「男4人(共同生活)なので、あり得ない量を揚げる」という唐揚げや、照り焼きチキン。男性3人組バンド「Mrs. GREEN APPLE」の大ファン。

 ☆ルーティン 四股。「トレーナーに困ったときはやれと言われて育った」と言い、滑る直前にも四股を踏み体を温め、股関節を柔らかくする。スタートでは飼い犬2匹を模したチャームが付いたオリジナルネックレスに「行ってくるぜ」と声を掛けてから演技を始める。

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