池田勇太 16位好発進「新しい自分を生み出している」歯を削る手術など3年がかりの治療終え再スタート

[ 2024年5月24日 04:05 ]

男子ゴルフツアー ミズノ・オープン第1日 ( 2024年5月23日    岡山県・JFE瀬戸内海GC=7461ヤード、パー72 )

池田勇太

 顎(がく)偏位症の手術、治療を経て今季初戦を迎えた池田勇太(38=フリー)が4バーディー、1ボギーの69で回り、3アンダーの16位と好位置で滑り出した。ツアー通算21勝ながら昨季、08年のデビュー後初のシード落ちを喫した16年賞金王が新たなスタートを切った。上位3人が7月の全英オープン出場資格を得られる今大会。通算4勝の堀川未来夢(31=Wave Energy)と初勝利を目指す阿久津未来也(29=フリー)が8アンダーで首位に並んだ。

 勝負師はやはり、試合になるとスイッチが入る。開幕前に「やってみないことには分からないよ」と口にしていた池田。5番で20メートルをねじ込むと、6番でも3メートルを沈めて2連続バーディー。要所でパットがさえて今季初戦初日に69をマーク。「18ホールやり切れたのは良かったかな。新しい自分を今、生み出している感じだね」と小さくうなずいた。

 顎関節のずれから股関節などに痛みが広がる顎偏位症と診断されたのは22年のこと。昨季は初めてシードを喪失した。今年3月に歯を削る複数回の手術を受けるなど3年がかりの治療を終えたばかり。「今は痛みは全くない」。術後は手の位置が3センチも下がるなど体も大きく変化したという。

 変化した腕に合わせ3インチ短くして34インチに新調したパターで臨み、「パットがここまで安定していたのは久しぶり」と言った。コースは違えど5年前に直近の21勝目を挙げた大会で踏み出した新たな一歩。「自分がクリアしていかなきゃいけない山は山ほどあるから」。そう語る38歳の実力者は楽しげな表情だった。 (中村 文香)

《堀川「守り系」で首位発進》
 堀川が自身大会ベストを2打更新する64で回り、今季初の首位発進を決めた。ボギーなしで8バーディーを奪い、「セーフティーに攻めることを心がけたら、ボギーフリーでラウンドできた」と納得の表情だった。ショット、パットの感覚は悪くないにもかかわらず、成績が出ていなかったことから、前週最終日に「かなり守り系」のマネジメントに挑戦。この日も無理にピンを狙い過ぎない攻め方が奏功した。「どこまでいけるか」と、2年ぶりの5勝目を狙う。

《阿久津も自身2度目の首位》
 阿久津が64をマークし22年以来、自身2度目の首位に立った。「ショットのリズムが良くなったら、パットも良くなるんだなって。ゴルフって不思議だなって感じの一日でした」と笑った。プロ9年目の29歳。今季は5試合で3度の予選落ち、最高成績は60位と苦戦していた。練習日に兄貴分の堀川からスイングリズムの助言を受け、ショットが復調。初優勝に向けて「この貯金を無駄にしないようまた一から頑張る」と気を引き締めた。

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