【ラグビーW杯】さらばセクストン アイルランドの名司令塔 NZに敗れ現役引退「これも人生」

[ 2023年10月15日 13:13 ]

ラグビーW杯フランス大会準々決勝   アイルランド24―28ニュージーランド ( 2023年10月14日    サンドニ )

ピッチに別れを告げたセクストン主将(AP)
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 世界ランキング1位のアイルランドは、同4位のニュージーランドに24―28で敗戦。通算8度目の準々決勝はこれで8連敗となり、またしても準決勝進出はならず。今大会限りでの現役引退を表明していた38歳のSOジョニー・セクストン主将は、ピッチに別れを告げた。 試合結果

 4点を追う後半ロスタイム。実に37次にも及ぶ総攻撃が相手のジャッカルによるペナルティーで途絶えると、セクストンは両手を腰にやり、小さく首を振った。「仲間や国を誇りに思う。これ以上、何もできない。アイルランド代表は信じられないような場所だったし、別れるのは寂しい。ただ38歳になってもこの場所にいられたのは素晴らしいこと」。最後はスッキリとした表情で語った。

 19年大会の準々決勝でも敗れたニュージーランドには、その後の4年間で3勝1敗。世界ランキングも1位、テストマッチ17連勝中と下馬評では上の立場で対戦を迎えたが、常に追い掛ける展開に苦しんだ。セクストン自身も年齢を感じさせない動きでチームをリードしたが、優勝3度を誇る相手の勝負強さの前に、わずかに及ばなかった。

 通算1113得点は同国歴代最多。通算124キャップのうち30試合で主将を務め上げた。18年にはワールドラグビー(WR)の男子15人制年間最優秀選手に選ばれ、全英&アイルランド代表には13年、17年と2度選出。欧州6カ国対抗は4度、クラブでの欧州王者にも4度輝いたが、4度出場したW杯では、ついに一度も8強の壁を突破できなかった。

 それでもアンディ・ファレル監督は「まず最初に言いたいが、彼は素晴らしい人間。そしておそらく歴代のアイルランド代表で最も優れた選手であり、38歳でありながらベストの状態にいる。全てを言い尽くすことはできない」と賛辞を並べてねぎらった。巨大なスタンドを占めた、自国ファンからも惜しみない拍手を送られた希代の名司令塔。「おとぎ話の結末のためにハードワークしてきたが、届かなかった。ただ、これも人生。ほんの少しの決断、ボールの弾みが、オールブラックスに傾いたかな」と話した。

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