【MGC男子】パリ五輪代表・小山直城ってこんな人…あふれる埼玉愛、前日に乳酸菌チャージ

[ 2023年10月15日 16:00 ]

マラソングランドチャンピオンシップ ( 2023年10月15日    東京・国立競技場発着の42・195キロ )

<MGC男子>ガッツポーズしながらゴールする小山(撮影・白鳥 佳樹)
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 上位2人が24年パリ五輪切符を獲得するマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)が15日、東京・国立競技場発着のコースで行われ、男子は27歳の小山直城(ホンダ)が2時間8分57秒で制し、夢切符をつかんだ。終盤抜け出した伏兵は、埼玉をこよなく愛する研究者肌のランナーだった。

 ▽生まれ&サイズ 1996年(平8)5月12日、埼玉県日高市生まれの27歳。高麗川中、松山高、東農大を経てホンダ入り。1メートル70、55キロ。趣味は「走るの好きっす」。

 ▽競技実績 中学から陸上を始める。松山高3年時の15年全国都道府県対抗男子駅伝4区区間賞で埼玉の優勝に貢献。東農大2年時に関東学連選抜の4区を走ったが、「(学校として)4年間出られなくて悔しい思いでした」。1万メートルのベストは27分55秒16。

 ▽マラソン歴 MGCは5回目。初挑戦は22年3月の東京で2時間8分59秒。MGC3カ月前のゴールドコーストでは2時間7分40秒の自己ベストで優勝し、自信をつけた。

 ▽研究肌 東農大に進んだ理由は「勉強も頑張りたかったので理系に」。応用生物科学部醸造科学科で「お酒やみそ、しょう油の菌類について勉強していた」。食品研究への興味があったが、卒論は教授の勧めで「明治時代から現代における酒税の歴史について」だった。

 ▽ルーティン 醸造科学科で発酵食品などを学んだ経験は「試合前のエネルギー対策に役立つ」。レース前日にヤクルトやR―1で乳酸菌類を摂取している。今回も「前日に飲みました」。

 ▽あふれる埼玉愛 ホンダ入社の決め手は「地元の企業と言うこともあって」。映画化もされた人気漫画「翔んで埼玉」のファン。MGCでも終盤に、母校の同期の応援を目にしてニヤリ。「地元の友達が応援に来てくれて、とてもうれしかった」。

 ▽憧れの存在 優勝した15年の都道府県対抗駅伝でたすきリレーした元男子マラソン日本記録保持者の設楽悠太(現・西鉄)の背中を追う。「突き抜けた走り」に憧れるが、練習の強度の高さはケガと隣り合わせで「宇宙人みたい。(周囲から)マネしちゃダメと言われた」と苦笑い。走りのリズムを参考にしている。

 ▽前回MGC チームの沿道応援にかり出され、当時はホンダ所属の設楽悠の大逃げを目の当たりに。ホンダは1キロごとにサポート役が立ち、情報を逐一ランナーに報告。飯田橋、両国、日本橋、ゴール前の国立競技場前と移動して声を出した。「五輪は現実的でないと思っていた。マラソンも始めていなかった」と振り返った。

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