【二所ノ関親方 真眼】若元春 鋭い出足で理想的な速攻

[ 2023年5月16日 04:43 ]

大相撲夏場所2日目 ( 2023年5月15日    両国国技館 )

翔猿(左)を突き倒しで下す若元春(撮影・久冨木 修)
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 満員のお客さんも若元春の強さにほれぼれしたのではないでしょうか。立ち合いから一気に圧力をかけ、鋭い出足でくせ者・翔猿を一蹴。理想的な内容でした。独特の距離感で構える相手だけに、中に入るのは勇気が必要でしたが、怖がらず踏み込めました。心身ともに充実している印象で、上半身と下半身のバランスも合っていました。

 左四つの形が完全に定着する中で、まわしにこだわらない速攻相撲。新たな引き出しをアピールしたようにも見えますが、元来突き押しを得意としていました。若い頃に培った馬力を十分に生かしているのは好感が持てます。本人も左四つになるまでの攻め方を研究しているようですし、いつもと違う相撲で勝つことで相手も警戒し隙も生まれます。今後も馬力を武器に相撲を磨いてほしいものです。

 ライバルの霧馬山、大栄翔に負けじと新関脇の場所で存在を誇示しており、今場所の若元春はかなり期待できそうです。(元横綱・稀勢の里)

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2023年5月16日のニュース