関取最年少20歳1カ月の熱海富士「夢の世界だと思っていた」新入幕で目指すは三賞

[ 2022年10月31日 16:26 ]

新入幕を決め、番付表を手にする熱海富士(日本相撲協会提供)
Photo By 提供写真

 日本相撲協会は31日、九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、新入幕を決めた熱海富士(20=伊勢ケ浜部屋)が都内の部屋からオンライン会見を行った。

 幕内昇進の知らせを受け「上がってうれしいのが一番大きいです」と、20歳の屈託のない笑顔がはじけた。初土俵から所要12場所での新入幕は歴代8位タイ(付け出しを除く)のスピード記録で、高卒に限れば朝青龍、栃東(現玉ノ井親方)に並ぶ最速記録。「そういう人たちみたいに自分もなれたらいいなと思います」と、横綱や大関と肩を並べる記録を喜んだ。

 入門からわずか2年。「小さい頃からテレビで見てきた人たちがいっぱいいて、夢の世界だと思っていた」という幕内の地位に早くもたどり着いた。新十両から4場所で負け越しは一度だけ。「少しずつ強くなっている実感はある」と猛稽古で力をつけてきた。同席した師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)からは「まだ相撲ができあがってない。前に出る圧力だけでここまで勝っている」と厳しい言葉。「何回言ってもできないですからね」と酷評された熱海富士は「まだ全然足りないところばかりです。これからも自分のできることを全力でやっていきたいです」と苦笑いしながらたじたじの様子だった。

 関取最年少の20歳1カ月。「ずっと見てきた有名な人たちと相撲を取れることが一番の楽しみ」と初々しい気持ちで臨む幕内の土俵へ「誰が相手でも思いきりいくだけ。自分が一番若いので、若い力士らしい前に出る力強い相撲を見てほしい」と意気込んだ。「兄弟子の翠富士関と錦富士関が新入幕で三賞を取って、かっこいいなと思って見ていたので、自分もそれに続けるように頑張っていきたいです」。新入幕場所での目標は三賞を獲ること。まずは同じ成績で身近な先輩たちに近づくことを望んだ。そして将来的には「入ったからには一番上まで」と部屋の横綱・照ノ富士(30)や師匠と同じ番付を見据え、大きな夢を描いた。

 ◇熱海富士 朔太郎(あたみふじ・さくたろう)本名=武井朔太郎。2002年(平14)9月3日生まれ、静岡県熱海市出身の20歳。小6から三島相撲クラブで相撲を始め、熱海中3年時に全中8強。飛龍高2年時に国体団体戦4位、個人戦32強。伊勢ケ浜部屋に入門し、20年九州場所で初土俵。21年初場所で序ノ口優勝。春場所で序二段優勝。夏場所途中まで、デビューから20連勝を記録。22年春場所で新十両。1メートル85、177キロ。

続きを表示

2022年10月31日のニュース