柔道90キロ級・ベイカー茉秋が復活V 向と五輪代表対決制した

[ 2022年10月31日 04:11 ]

柔道 講道館杯最終日 ( 2022年10月30日    千葉ポートアリーナ )

4年ぶりに講道館杯を制したベイカー茉秋
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 男子7階級が行われ、16年リオデジャネイロ五輪90キロ級金メダルのベイカー茉秋(28=日本中央競馬会)が、4年ぶり2度目の優勝で復活を果たした。リオ以降は右肩脱臼や不振で苦しみ、2大会連続五輪を逃した苦労人が、24年パリ五輪の代表争いに名乗りを上げた。100キロ級では東京五輪金メダルのウルフ・アロン(26=了徳寺大職)が456日ぶりの復帰戦で3位に入った。

 最後は執念でオリンピアン対決を制した。東京五輪代表の向との決勝。指導2で窮地に追い込まれたが「こんなところで負けてたまるか」と奮起して前に出た。相手の仕掛けた技でもつれ込んだ一瞬の隙を見逃さず、横四方固めで一本勝ち。「諦めずに自分と向き合って、こうやって帰ってこられて良かった」と優勝をかみ締めた。

 右肩脱臼から復活後もかつての強さを取り戻せず、19年の不振で東京五輪の代表争いから脱落した。20、21年はコロナの影響で実戦機会なし。引退が脳裏をチラつく中で奮い立たせてくれたのは、高校時代の恩師である東海大の竹内徹師範だったという。この日も「一歩も引かずに行けばNo・1だ」と送り出され、見事に復活。2大会ぶりの五輪へ、「まずは一つ一つ」と足元を見つめた。

 ≪ウルフは3位 100キロ級≫準決勝で敗れたウルフは、3位決定戦では得意の内股を決めて表彰台を確保。試合勘やスタミナ面でブランクを隠せない内容だったが、「この状態で試合に出て、現状確認ができた」と前向きに捉えた。4月の選抜体重別はケガ、8月のアジア選手権はコロナ感染で欠場。ようやく復帰を果たし、今後は試合間隔も詰めていく考えで、「全然復活じゃないが、五輪2連覇につながればいい。未来に向けてやりたい」と話した。

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2022年10月31日のニュース