日本勢GP初3冠! りくりゅうがペア史上初V 5回目の演技で後半立て直し

[ 2022年10月31日 04:30 ]

フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダ最終日 ( 2022年10月29日    ミシソーガ )

勝利を確信した三浦璃来はペアの木原龍一に抱きつき頭をポンポン(撮影・長久保 豊)
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 ペアで昨季世界選手権準優勝の三浦璃来(20)、木原龍一(30)組(木下グループ)はショートプログラム(SP)に続きフリーでもトップの138・63点を出し、合計で自己ベストを更新する212・02点をマークし、初優勝した。ペアの日本勢としても初のGP制覇。男子の宇野昌磨(24=トヨタ自動車)、女子でGP初出場の渡辺倫果(20=法大)も優勝し、3種目制覇も日本勢初の快挙となった。

 演技を終えると、2人は立ち上がれなかった。その場でうずくまった木原を、三浦が笑顔でねぎらって抱きしめた。木原は「優勝できて凄くうれしい」と喜び、三浦は「ミスもあったけど良い結果で終われて良かった」と話した。

 7月に三浦が左肩を負傷し、練習再開は9月中旬。フリーを初めて通したのは今大会の1週間前で、この日の演技がまだ5回目だったという。序盤の3回転トーループからの連続ジャンプで三浦にミス。それでも3回転サルコーやスロー3回転ルッツ、ループを次々と成功して立て直した。木原は「どこまで滑れるか自信がなかった」と振り返ったが、リンクに立てば勝負のスイッチが入った。

 昨季は北京五輪団体戦で銅メダルに貢献した。ウクライナ情勢の影響でトップ選手のロシア勢が出場しなかった世界選手権では準優勝。今季もロシア勢は不在で勢力図は変わっているが「いろんな国にチャンスが回っている。そういった状況はモチベーションにつながる」と木原は分析。愛称“りくりゅう”の名前を世界に売り込んでいく覚悟がある。

 男女シングルが世界の頂点に立った日本勢の中で、ペアは競技人口も少なく、立ち遅れてきた。夢だった日本勢としてのGP初制覇。木原は「日本のフィギュアスケートにとって大きな一歩。僕たちがメダルを獲ることで次の世代が挑戦する」とパイオニアとしての自覚を口にした。結成4季目で26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪、さらに30年の五輪まで見据える2人。まずは11月18日から札幌で行われるNHK杯で、連勝に挑む。

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2022年10月31日のニュース