新小結・翔猿「努力してきたことが無駄じゃなかった」所要46場所、30歳での新三役に感慨

[ 2022年10月31日 12:57 ]

新小結に昇進し、番付表を手にする翔猿(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は31日、九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。秋場所で殊勲賞を受賞し、新小結に昇進した翔猿(30=追手風部屋)が埼玉県草加市の部屋からオンライン会見を行った。

 入門から約8年、学生相撲出身としては史上2位のスロー昇進となる46場所かけて新三役に昇進。小結と書かれた番付表を見て「虫眼鏡(相撲用語で「序ノ口」の意味)時代からやってきたので、凄く大きな文字で書かれていることが感慨深い」と実感を込めた。それでもすぐに前を向き「うれしい気持ちもありますけど、まだ上があるので慢心してはいられない気持ちもある」と次の番付を見据えた。

 三役の地位は入門当初からの目標だった。「少しずつしか強くなれないからとコツコツやってきたので、それが実って凄くうれしく思います。努力してきたことが無駄じゃなかったんだなと実感できました」。積み重ねてきた努力が結果に表れた。中学生時代からのライバルで同学年の北勝富士(30=八角部屋)や御嶽海(29=出羽海部屋)は早くから幕内上位で活躍。埼玉栄高の後輩だった同部屋の大栄翔(28)は自身の入門時には既に関取で、付け人を務めたこともあった。「僕も上位に行きたいと、悔しい気持ちもあった。良い刺激になっていると思います」。同世代へのライバル意識が、努力を惜しまない翔猿の闘争心に火をつけた。今場所は翔猿が東小結で大栄翔は西小結。番付で初めて抜いて部屋頭となり「同じ小結になったのでともに頑張っていきたい」と力を込めた。

 昨年の夏場所から5場所連続負け越しを経験し「そこから稽古を見つめ直した」と基礎運動やぶつかり稽古の回数を増やして意識的に押す力をつけた。「年内に三役昇進」という目標を立てた今春、30歳の誕生日を機に後援会の設立もあり、三役への思いをより一層強めた。秋場所は初金星を含む10勝を挙げて大活躍。見事に目標を達成し「上位でも前にどんどん攻めて自分の相撲を取りきって白星につながった。考えて努力すれば結果はついてくる」と自信を深めた。

 実力とともに人気も急上昇。今月行われた秋巡業やファン感謝祭では常に人だかりができるほどの大人気ぶりだった。昔から注目されればされるほど力を発揮するタイプ。「力に変えて頑張っていきます」と、九州の土俵を沸かせる活躍を誓った。

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2022年10月31日のニュース