伊藤美誠、復調V ひな&佳純撃破でパリ五輪選考ポイント2位浮上 女王やっと選考レースで本領発揮

[ 2022年9月5日 04:40 ]

卓球・全農カップ・トップ32最終日 ( 2022年9月4日    アクシオン福岡 )

優勝し、観客席に笑顔で手を振る伊藤
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 24年パリ五輪シングルス代表の選考対象大会として開催され、女子は東京五輪銅メダルの伊藤美誠(21=スターツ)が決勝で石川佳純(29=全農)を4―0で下して優勝した。男子は今年の全日本選手権覇者の戸上隼輔(21=明大)が決勝で張本智和(19=IMG)に逆転勝利。3位は女子が早田ひな(22=日本生命)、男子が篠塚大登(18=愛知工大)となった。

 苦戦続きだった伊藤が再び強さを示した。東京五輪をともに戦った石川との決勝は、第1ゲームを11―4で制すると、そのままストレート勝ち。石川に「今日は全然チャンスがなかった」と言わせる圧倒劇だった。

 「最初から挑戦者の気持ちで向かっていけた。追い上げられても“仕留める”という強い気持ちで臨むことができた」

 今大会のハイライトは、この日の1試合目だった準決勝の早田戦。パリ五輪の代表選考対象大会で2連勝中だった同学年のライバルを、フルゲームの末に下した。選考ポイント争いでも大きな1勝だった。女子トップの早田とは対照的に、代表選考対象大会は3月のライオンカップ、8月のノジマカップともに準々決勝敗退し、5位と出遅れていた。3戦目で本領を発揮して初優勝を果たし、早田に次ぐ2位に浮上した。

 パリ五輪の選考に関して、日本卓球協会は独自の国内ランクで選ぶ方針を発表している一方、国際卓球連盟(ITTF)は世界ランクを重視する形を示している。同協会が質問状を送っているITTFからいまだ正式回答はなく、今大会の開会式では、宮崎義仁専務理事から選手たちに現状が説明された。

 今月30日からは、中国・成都で開催される世界選手権団体戦に日本代表として臨む。世界選手権団体戦は新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶりの開催。3大会連続で銀メダルを獲得している伊藤は、4連覇中の中国を意識し「1位を取りにいく気持ちで戦う。とにかく向かっていくことが大事」と気合を入れた。

 ▽卓球のパリ五輪シングルス代表選考基準 22年全日本選手権終了翌日から24年全日本選手権終了日を対象期間とし、日本協会の強化本部が指定した選考会、国際大会での選考ポイント上位2人を選出する。全日本選手権、代表選考会に加えてアジア大会、世界選手権、Tリーグ(個人戦、リーグ戦)が対象となっている。現在、女子は1位早田115、2位伊藤85、3位長崎83で、男子は1位張本智120、2位及川68、篠塚68となっている。

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