中学2年・香川、史上最年少予選通過へ好発進「緊張はしなかったです」関西オープン

[ 2022年4月14日 18:10 ]

<関西オープン第1日>2番、ティーショットを放つアマの香川友(撮影・井垣 忠夫)
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 男子ゴルフの今季国内ツアー第2戦、関西オープン(賞金総額8000万円、優勝賞金1600万円)は14日、兵庫県西宮市のよみうりCC(7180ヤード、パー71)で開幕し、第1ラウンドを行った。

 プロツアー初出場の中学2年生、香川友(13)が6バーディー、1ボギー、2ダブルボギーの70をマークし、首位に7打差の1アンダー、60位と上々のスタートを切った。伊藤誠道が2009年KBCオーガスタで達成した14歳21日を更新する史上最年少13歳258日での予選突破へチャンスを迎えている。

 「あんまり緊張はしなかったです」

 年の差53歳。大会初日はツアー通算30勝の“レジェンド”倉本昌弘(66)と同組でのラウンドだったが、キャディーを務める父・正宏さん(50)のサポートもあって終始、伸び伸びとプレー。出だしの1番パー4(398ヤード)で5メートルのバーディーパットを沈めると、5番パー4(414ヤード)、8番パー3(242ヤード)でも5メートルのバーディーパットを決めるなど5アンダーまでスコアを伸ばし、一時は首位に並ぶ場面もあった。

 第1打を右にOBした16番パー5(623ヤード)、ガードバンカーからの第4打をミスした最終18番パー5(559ヤード)でダブルボギーを叩き、首位争いからは後退したが、目標とする予選通過(60位タイ)は圏内。「悪い所は別にないです。ちょっとしたことがダメだったかなと思います」とショックを引きずることなくアテスト会場を出た時にはきっちり気持ちを切り替えた。

 「素晴らしい感性を持っているし、このまま伸びてくれればいいなと思います」

 香川の一打一打を間近で目撃した倉本が絶賛したのはショードゲームの感覚。10番パー4(474ヤード)では左ラフから40ヤードの第3打を80センチ、続く11番パー4(390ヤード)ではフェアウエーから残り30ヤードの第3打を30センチに寄せてパーをセーブした。

 キャリーで285ヤードを超えるという中学生離れした飛距離も魅力だが、香川本人が最大の武器と考えているのはこのアプローチ。“本物”から学ぼうと5歳の時には海を渡って米ツアーを現地観戦。練習ラウンドからフィル・ミケルソンについてロブショットの打ち方を研究。松山英樹のアプローチを盗もうと韓国・済州島まで出掛けたこともある。

 道具の面でも中学生とは思えないこだわりを持つ。自宅に100本のコレクションを持つウエッジ・マニア。今大会で使用している58度のSWは正宏さんが経営する練習場、関宿ゴルフセンターの工房で自らソールを削って調整したものだ。

 野田市立中央小6年だった2020年10月にはミニツアーのチャリティー・トーナメント・ザ・ロイヤルGCでプロの部で優勝した遠藤彰と同じ67をマークしてアマチュアの部を制した。コースの全長は7585ヤード、パー72。天才小学生として注目を集めた。126人が参加して今年3月に実施された今大会のアマチュア予選会も目標通りトップ通過を果たした。

 アマチュア規定が改訂された今年から明治安田生命、すしざんまいなど6社がスポンサーとして香川を支援している。夢のマスターズ制覇へ同世代が切磋琢磨(せっさたくま)するジュニア競技には出場せず、香川は独自路線を歩んでいる。

 ◇香川 友(かがわ・とも)2008年(平20)7月31日生まれの13歳。千葉県野田市出身。練習場「関宿ゴルフセンター」を経営する父・正宏さん(50)の影響で1歳の時にはプラスチックのクラブで遊んでいた。野田・中央小3年の時から東京・杉並学院高時代に石川遼らを指導した吉岡徹治コーチに師事する。現在、野田一中2年生。好きなクラブはウエッジ。好きな選手はフィル・ミケルソンと松山英樹。将来の目標はマスターズ優勝。ベストスコアは62。1メートル70、95キロ。

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