大溝雅教キャディーは親父ギャグが得意技 笑わせ、励まし堀琴音の2勝目をサポート

[ 2022年3月22日 11:38 ]

<Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント最終日>優勝し笑顔で引き揚げる堀琴音と大溝キャディー
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 【福永稔彦のアンプレアブル】女子ゴルフの堀琴音(26=ダイセル)がTポイント×ENEOSで昨年7月のニッポンハム・レディースに続くツアー2勝目を挙げた。

 バッグをかついだ大溝雅教キャディー(56)は「涙が出そうなほどうれしい。娘のような感じです。今日もよく頑張った」と言って目を潤ませた。

 北海道出身。00年には片山晋呉の賞金王獲得を支えた。女子では福嶋晃子らをサポート。近年は小平智の専属キャディーを務め、18年RBCヘリテージでの米ツアー初優勝に貢献した。今回の優勝で日米男女通算32勝となった。

 キャディーの役割は多岐に渡る。距離の測定、風の読み、パットのライン読み、クラブ選定の助言。大溝キャディーはこうした通常の職務を全うした上で、選手のやる気を引き出す術に長けている。

 お酒が大好きで、愛きょうがあり、人を和ませる独特の雰囲気の持ち主。コース上でも「基本的に笑わせることしかやっていない」と謙遜する。選手がミスをして怒ったり、落ち込んだ時には、親父ギャグで気分転換に一役買っている。

 Tポイント×ENEOSは終盤まで誰が勝つか分からない大混戦となった。最終日に単独首位から出た堀は14番で2位に後退した。すぐに再浮上したのだが、大溝キャディーは「今はこっちゃん(堀の愛称)が1番だよ。まだ見放されていないよ」と励ました。

 常に選手を立てることを意識している。堀は「大溝さんは絶対に選手が一番です。ずっとポジティブな言葉をかけてもらいました」と感謝の気持ちを込めた。

 最初にタッグを組んだのは堀がプロテストに合格した年。14年の伊藤園レディースだった。その後の道のりは平坦ではなかった。堀は3年間保持したシードを18年に喪失。大溝キャディーは19年に胃がんを患い、手術を受けた。2人でトロフィーを掲げるまで8年の歳月を要した。

 「本当にうまくなった。精神的にも強くなった」。大溝キャディーは愛娘の成長を見守る父親のようにしみじみと語り「これからも、もうちょっと勝たせたい」と言って満足そうな笑みを浮かべた。(スポーツ部専門委員)

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