御嶽海 勝ち越し決め初取材対応も「あと2つ勝たないと大関の勝ち越しじゃない」

[ 2022年3月22日 05:30 ]

大相撲春場所9日目 ( 2022年3月21日    エディオンアリーナ大阪 )

御嶽海(右)は玉鷲を寄り切りで破る(撮影・後藤 正志)
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 新大関・御嶽海が玉鷲を寄り切り、全勝・高安との1差を守った。今場所金星も挙げた玉鷲を圧倒した取組後は、9日目にして初めてリモート取材に対応。大関の務めとして掲げる2桁勝利へ接近し、笑顔を見せた。優勝争いは若隆景、琴ノ若も1敗を守ったが、2敗勢の貴景勝、阿炎は3敗に後退した。

 話術も巧みな男が中日まで、一度も姿を見せなかった。9日目、取組後のリモート取材に現れた御嶽海はその理由を明かした。「集中して、自分のことをしっかり考えないとインタビューは受けられなかった。雰囲気を出したかった」。土俵で対戦相手と向き合う以外は、自らと対話を重ねてきた新大関場所での勝ち越しだった。

 今場所照ノ富士から金星も挙げた玉鷲相手に立ち遅れた。もろ手突きを受け、俵を背負ってからが本領発揮だった。

 左へ回り込みながら体勢を立て直し、伸ばした右手に前まわしがかかるとすぐさま密着。頭もつけ、左差しから走ると、勢い余った玉鷲は土俵下へ背中から倒れ込んだ。

 初場所後の大関昇進伝達式。自ら「満点」とした口上でまず掲げた誓いが、「大関の地位を汚さない」だった。29歳1カ月での昇進は、年6場所制となった1958年以降6番目の年長記録。昇進までに3度優勝してつかんだ地位に、安易な妥協はできなかった。

 「あと2つ勝たないと大関の勝ち越しじゃない」。三役なら9勝は立派だが大関では及第点。ノルマは2桁勝利だ。優勝6回の照ノ富士が途中休場した今、優勝経験では貴景勝の2回を超え、出場力士の中で、最多。きょう10日目以降のリモート取材については「気分で、来たいと思います」と不敵に笑う経験豊富な新大関が、高安との1差を守って、第一関門を突破した。

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2022年3月22日のニュース