【玉ノ井親方 視点】復調してきた正代 カド番脱出は難しくない

[ 2022年3月22日 19:16 ]

大相撲春場所10日目 ( 2022年3月22日    エディオンアリーナ大阪 )

遠藤を押し出しに破った正代は星を五分に戻す(撮影・井垣 忠夫)
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 カド番大関の正代がようやく調子を取り戻し始めたようだ。この日は相撲巧者の遠藤が相手だったが、会心の取口で星を五分に戻した。

 序盤は場所前の体調不良による稽古不足の影響もあり、相撲勘がにぶっている感じだった。立ち合いの当たりは悪くなかったが、腰高で当たる角度が高いため、相手は押しやすくなる。そこを強引に出ようとして、つけいる隙を与えてしまっていた。

 それが中日を折り返したあたりから変わってきた。以前より当たりが低くなり、左の腕(かいな)の使い方も良くなった。遠藤戦も左を肩まで入れるような形で深く差した。体を密着させ、相手が反撃しづらい体勢に持ち込み、一気に前に出た。

 これで7日目から4連勝。今の相撲を取り続けていけば、勝ち越しも難しくないだろう。横綱が休場したことも大きい。ただ、自分の相撲を取れているときは良いが、押されたときに残り腰があるからといって油断すると危ない。それでも復調の兆しが見えてきたことは確か。低く当たって左を深く差し、体を密着して前に出ることを心懸ければ、勝機は広がる。(元大関・栃東)

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2022年3月22日のニュース