【ワリエワ問題の経過】五輪団体で金獲得後のタイミングで…露メディア報じる

[ 2022年2月14日 14:57 ]

ワリエワ(撮影・小海途 良幹)
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 昨年12月のドーピング違反が判明した北京冬季五輪フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(15、ロシア・オリンピック委員会=ROC)の個人戦出場が認められた。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)が14日、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)によるワリエワの暫定資格停止処分解除を不服とした国際オリンピック委員会(IOC)、世界反ドーピング機関(WADA)、国際スケート連盟(ISU)からの提訴を却下した。4回転ジャンプとトリプルアクセルが武器のワリエワは7日に行われた同五輪団体戦でROCの金メダルに貢献し、15日にショートプログラム(SP)、17日にフリーが行われる女子個人戦でも金メダル最有力候補とみられている。

 ◇ワリエワ問題の経過◇

 ▼21年12月25日 ロシア選手権(サンクトペテルブルク)女子シングルでワリエワが優勝。尿検査で検体を提出。検査はロシア反ドーピング機関(RUSADA)が担当。

 ▼22年2月1日 五輪初出場のワリエワがROC(ロシア・オリンピック委員会)のフィギュアスケートチームの一員として北京入り。ロシアは過去の組織的ドーピング違反で国としての国際大会出場が認められず、ROCの選手として個人参加の立場。

 ▼同7日 北京冬季五輪フィギュアスケート団体でROCが優勝。ワリエワは女子シングルで五輪の女子競技史上初めて4回転ジャンプを着氷。1位となり金メダル獲得に貢献。

 ▼8日 ロシア選手権の検査結果をWADAの認定研究所(ストックホルム)がRUSADAへ報告。禁止薬物のトリメタジジンに陽性反応を示したため、RUSADAはワリエワを暫定資格停止処分に。北京市内で予定されていた団体戦の表彰式は「法的問題」により延期が発表。

 ▼9日 ワリエワ側がRUSADAの規律委員会に異議申し立て。暫定資格停止処分が解除される。理由は非公表。五輪専門メディアがドーピング疑惑を報じ、ロシアのメディアはトリメタジジンが検出されたと報道。

 ▼10日 ワリエワが個人戦へ向けて北京市内で練習を再開。

 ▼11日 北京五輪のドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)がワリエワの大会前のドーピング違反を公表。国際オリンピック委員会(IOC)と国際スケート連盟(ISU)が暫定資格停止処分解除への異議をスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ申し立て。ROCは12月25日以外の検査結果は陰性で、団体戦の金メダルは正当と主張。

 ▼12日 CASがIOC、WADAからの異議申し立てを受理と発表。エテリ・トゥトゥベリゼ・コーチはロシア・メディアでワリエワの潔白をアピール。

 ▼13日 WADAがワリエワのコーチや医師ら周辺スタッフの調査を独立委員会に依頼と明かす。CASがオンライン形式で聴聞会を実施。IOC、WADA、ISU、RUSADA、ワリエワ本人、ROCを北京時間深夜まで事情聴取。

 ▼14日 CASがワリエワの北京五輪個人戦出場可否の裁定を発表。

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