高木美帆 500メートルでも銀メダル!1500メートルに続く今大会2個目 日本女子最多5個目メダル

[ 2022年2月14日 05:30 ]

北京五輪第10日 スピードスケート女子500メートル ( 2022年2月13日    国家スピードスケート館 )

女子500メートル決勝、タイムを確認しガッツポーズをする高木美帆(撮影・小海途 良幹)
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 女子500メートルで高木美帆(27=日体大職)が37秒12で銀メダルを獲得した。女子1500メートルに続く今大会2個目の銀。通算5個目のメダルで自身の持つ冬季五輪の日本勢最多記録を更新し、夏季を含めると柔道の谷亮子らの日本女子の最多に並んだ。高地で記録した自己ベストを低地で0秒10上回る会心の滑りだった。18年平昌五輪金メダルの小平奈緒(35=相沢病院)は38秒09で17位。郷亜里砂(34=イヨテツク)は37秒98で15位だった。

 本命種目の1500メートルのレース直後はニコリともしなかった高木美が、ゴールを過ぎて掲示板を確認すると、思わず両手でガッツポーズを繰り出した。3年前に高地リンクのカナダ・カルガリーで出した自己ベストを0秒10も更新する37秒12。全15組の前半に当たる第4組での快走でランキング上位の後半グループにプレッシャーをかけると、結局優勝候補のジャクソン1人にしか抜かれず。銀メダルが確定すると、リカバリーのためにこいでいたバイクの脇で、ジャンプして喜んだ。

 「苦しい時期が続く中、ベストが出せたこと、渾身(こんしん)のレースができたことがうれしい。メダルが獲れたのは、いろんな条件が重なってのこと。正直、驚いている」

 5種目への挑戦を自身に課して臨む3度目の大舞台。だが世界記録を持つ1500メートルで敗れた後は、最もメダルに遠いと思われた500メートルの出場に迷いが生じた。日本の2連覇が懸かる団体追い抜きに専念すべきではないか。「パシュートを考えると500メートルに出るか本気で考えた」と悩んだが、最後は挑戦を貫くことを決断。自分自身も予想していなかったメダル獲得につながり、「最後まで挑戦して良かった」と笑った。

 オールラウンダーの原点は12年前にある。中学3年で出場したバンクーバー五輪で惨敗。打ちひしがれていると、日本選手団の橋本聖子団長から「(自身が銅メダルを獲得した)1500メートルを滑りきれる選手になってほしい」と後継者に指名され「3000メートルの持久力と500メートルのスピードが必要。全部やったほうがいい」と助言された。88年カルガリー、92年アルベールビルで5種目を滑った大先輩。その背中を追う日々が始まった。帯広南商高時代はシニア、ジュニア、国内外を問わず、日程の許す限り大会に出場。年間で一般的な選手の3倍近い60レースを戦った年もあった。

 残るは団体追い抜きと、4年前に銅メダルを獲得した1000メートル。「喜びは頑張っている自分にとっても良いこと。これからだと思っている」と、さらなる快進撃を予告した。

 ◇高木 美帆(たかぎ・みほ)1994年(平6)5月22日生まれ、北海道幕別町出身の27歳。5歳でスケートを始める。10年バンクーバー五輪に中3で出場も、14年ソチ五輪は出場を逃す。18年平昌五輪では団体追い抜きで金、1500メートルで銀、1000メートルで銅メダルを獲得。今大会でも1500メートルで銀メダルを獲得し、冬季五輪のメダル計5個は日本人最多。1500メートル世界記録保持者。1メートル64、58キロ。姉の菜那も今大会の代表。

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