アイスダンス五輪代表26日決定 猛追2位・村元、高橋組か、涙の4連覇・小松原組か

[ 2021年12月26日 05:30 ]

フィギュアスケート 全日本選手権第3日 ( 2021年12月25日    埼玉・さいたまスーパーアリーナ )

小松原美里、小松原尊組(左)と村元哉中・高橋大輔組
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 アイスダンスでフリーダンス(FD)2位の110.01点をマークした小松原美里(29)、尊(30)組(倉敷FSC)が、リズムダンス(RD)との合計178.17点で逃げ切り、4連覇を飾った。RD2位の村元哉中(28)、高橋大輔(35)組(関大KFSC)はFD1位の112.96点で追い上げるも、合計176.31点で2年連続の準優勝。北京五輪代表は26日に発表され、カップル2組による一騎打ちに終止符が打たれる。

 《高橋4度目大舞台「考えないように」》納得の演技ができたからこそ、村元も高橋も2日前のミスを悔しがった。優勝した小松原組と1.86点差の2位。表彰式後の取材エリアでは、率直な思いを口にした。

 高橋「凄く良いものができたので、リズムダンス(RD)の転倒の悔しさが大きい。いろんな気持ちが入り交じっている」

 村元「今更だけど、RDの転倒がなければ優勝にはなっていたのかなと思う。昨年とは全く違うレベルの悔しさがあった」

 小松原組と4.81点差で迎えたFD。妄想の世界で2人が踊る物語「ラ・バヤデール」に入り込み、自己ベストに迫る112.96点をマークした。技術点、演技構成点ともに小松原組を上回り猛追を見せたが、わずかに届かなかった。

 ただ、結成2シーズン目で見せた2人の進化はすさまじかった。合計点では昨年の全日本から25点近くもアップ。4連覇を果たした小松原組と対等に五輪切符を争う立場まで飛躍的に成長した。
 高橋「(五輪に行けるかは)本当に分からないので、考えないようにしようかなと」

 村元「自分たちが今日できることは全力でやった。選んでいただけたら凄くうれしい」

 高橋自身、出場が決まれば4度目となる大舞台。吉報を待つ。

 《夫婦の悲願へ尊「大きな心で」吉報待つ》美里は立ち上がって感情を爆発させ、尊は静かに喜びに浸った。夫婦で乗り越え、つかんだ4連覇。2人は涙を流し、抱擁した。「とても良いクリスマスプレゼント」と尊。初の五輪舞台へ、望みをつないだ。

 「これは、とある女の物語」――。「SAYURI」のナレーションは英語だったが、今回は女優・夏木マリが日本語で吹き込んだ。その言葉に鼓舞され、優雅に、力強く舞った。RDでミスが出たツイズルを完璧にこなし、非公認ながら自己記録104.07点を上回る会心の出来。美里は「やるべきことはやった」と振り返った。

 衣装は紫基調に変更。会場には紫のジャケットを着た夏木の姿が。振り付け指導をした歌舞伎役者・片岡孝太郎も紫のネクタイを締めて見守った。ここに来るまで多くの人が手を差し伸べてくれた。「心から感謝の気持ちでいっぱい」。美里は万感の表情だった。

 日本と米国出身2人はカップルになり、ひかれ合い、本当の夫婦となった。2人が追い求めた夢は、今日決まる。日本国籍を取得した尊は「今まで絶望することもあったが美里と一緒に乗り越えた」と言い、「選手の仕事をした。大きな心でお待ちしています」と強調。人事を尽くし、天命を待つ。

 ▽アイスダンスの北京五輪代表選考 出場枠は1。日本連盟の選考基準に当てはめると(1)全日本最上位組=小松原組(2)世界ランク最上位組=小松原組(3)今季世界ランク最上位組=村元・高橋組(4)ISU今季最高得点の最上位組=村元・高橋組。選考基準の4項目を2項目ずつ分け合う形から総合的に選考。26日の全競技終了後に代表が発表される。

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