大関・貴景勝が反則勝ちで初日から8連勝 「相撲は負けている。反省したい」

[ 2021年11月22日 05:30 ]

大相撲九州場所8日目 ( 2021年11月21日    福岡国際センター )

逸ノ城(左)にマゲをつかまれたとして貴景勝が反則勝ち
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 大関・貴景勝は反則勝ちで白星を拾い、優勝した昨年11月場所以来2度目の初日から8連勝とした。3分に迫る長い相撲で押し倒されたかに見えたが、立ち合いからの流れで小結・逸ノ城が右前みつを取る直前にマゲをつかんでいた。勝負が決まった場面以外で、この反則を適用されるのは珍しい。横綱・照ノ富士は平幕の遠藤を押し出し、4場所連続のストレート給金とした。1敗は関脇・御嶽海と平幕の阿炎。

 協議を終えた伊勢ケ浜審判長(元横綱・旭富士)が貴景勝の反則勝ちを告げると、場内はどよめいた。

 問題の場面は立ち合いから約8秒後。互いに突きを繰り出す流れで、逸ノ城は左で相手のマゲを握りしめ、右でまわしをさぐる。そしてマゲから左手を離した直後に右前まわしをつかんだ。突き押し得意の貴景勝は1メートル90、206キロの巨漢につかまって攻め手なし。逸ノ城は急がず、2分以上かけて体勢を整えた上で貴景勝を押し倒した。

 日本相撲協会は「頭髪を故意につかむこと」を禁じ手と定める。これが適用されるのは、はたき込みなどで勝負がついた瞬間や直前に反則を犯した例が多い。流れの中でマゲに手がかかっても、その行為により勝敗が決しなければ“おとがめなし”の場合もある。伊勢ケ浜審判長は「マゲをつかんで引っ張って、動きが止まった。その時点でもう(逸ノ城が)負けている」と説明した。白星を拾った貴景勝は「(引っ張られた)感覚はあったけど、相撲は負けている。反省したい」と浮かない表情だった。

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2021年11月22日のニュース