原英莉花 17アンダーで涙の21年初優勝 「もう勝てないんじゃないかと…。幸せ」

[ 2021年11月22日 05:30 ]

女子ゴルフツアー大王製紙エリエール・レディース最終日 ( 2021年11月21日    愛媛県 エリエールGC松山=6545ヤード、パー71 )

<エリエールレディース最終日>優勝インタビューで涙を流す原(撮影・井垣 忠夫)
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 首位スタートの原英莉花(22=日本通運)が68をマークし、通算17アンダーで逃げ切り、21年初勝利を挙げた。昨年と統合された今シーズン3勝目で、通算4勝目。一時は4人が首位に並ぶ大混戦を17番のイーグルで抜け出した。柏原明日架(25=富士通)ら3人が通算14アンダーの2位。賞金ランク1位・稲見萌寧(22=都築電気)と同2位・古江彩佳(21=富士通)はともに通算8アンダーの19位。賞金女王争いは今週の最終戦に持ち越しとなった。

 自然と涙があふれてきた。最終18番グリーン上。30センチのウイニングパットを沈めた原は走馬灯のように駆け巡る苦しかったこの一年を思い返していた。

 「いろんなことがあって。もう勝てないんじゃないかと思ったりもして。本当に幸せです。ゴルフを続けてきて良かったです」
 前半のアウトは1バーディー、1ボギーのパープレー。もたついている間に2位と2打あったスタート時のリードはなくなった。負けが頭をよぎったその時、原に勝利の女神がほほ笑みかけた。

 「こんなところで止まってるなんて奇跡だなと思って歩測しちゃいました。ホントに一歩。ついてるなと思いました」。17番パー5。1Wを振り抜いた瞬間、右の池を覚悟したが、打球は赤線のわずか1ヤード手前のラフでストップ。ここから214ヤードを7Wでピン右8メートルに運んだ原はこのイーグルパットをジャストタッチで沈め、一時首位に4人が並ぶ大激戦を抜け出した。

 昨年、日本女子オープン、ツアー選手権と国内メジャーを連勝。さらなる飛躍を誓った今年は海外メジャーにも積極的に挑戦。しかし、4月のANAインスピレーション、8月の全英女子オープンともに100位台で予選落ち。4月の米国遠征後は腰痛が常態化し、原らしい思い切りの良さも影を潜めていた。

 この2カ月は断酒して畑岡奈紗、小祝さくらに続く黄金世代3人目の3年連続の優勝を目指した。動画をあさり回って世界ランク1位N・コルダ(米国)のパッティング技術を盗み、愛媛入り直前には叱られるのを覚悟で師匠・尾崎将司の元を訪ねて助言を求めた。

 「宮崎でおいしいお酒が飲めます。ジャンボさんには2連勝して報告に行きます」。今週は自身初の大会連覇が懸かる宮崎でのツアー選手権。原に輝きが戻ってきた。

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