走る同大の新スタイル “夏合宿”は暑い京都で心肺鍛錬 共同主将・田村も本職SHに戻り、歴史塗り替える

[ 2021年9月16日 05:30 ]

ムロオ関西大学ラグビーAリーグ開幕直前連載

同大のSH田村魁世共同主将が展開ラグビーの命運を握る

 ムロオ関西大学ラグビーAリーグが18日の同大―関大戦で開幕する。東京五輪のスケートボードで話題になった「ゴン攻め」のごとく、ガンガン攻める8チームの横顔を紹介する今回は同大。決定力のあるバックスを擁し、「走るラグビー」で6季ぶり49度目の優勝を狙う。

 同大の威勢がいい。7月の関西大学春季トーナメントで天理大に35―19で勝ち、優勝した。共同主将の1人、SH田村魁世(かいせい)は「入学してから一度も勝てなくて。天理に勝てないというのが染みついていた。オレらもできると自信になった」と、1勝の価値を語った。

 ライバル撃破の伏線は昨季にある。コロナ禍で全体活動ができない間、例年以上に走り込んだ。11月のリーグ優勝決定戦。後に日本一に輝く天理大に21―54で敗れながらも、運動量を武器に後半は3トライを奪った。

 相手の足が先に止まったことが、成功体験としてこの代に受け継がれた。春から追い込み、夏も、コロナ禍で2年連続で合宿ができなかった分、暑い京都で心肺を鍛え上げた。

 「チームが走らなきゃ勝てないというマインドになってきた」

 そう語る田村は絶対的な存在だ。神奈川・桐蔭学園高で高校日本代表に選ばれた。関東で生まれ育った逸材が、「文武両道で選手が主体的にできるチームが良かった」と、関西の雄の門を叩いた。ラン、パス、キック、状況判断も秀逸。センスが高いあまり、同大ではSOで出ることが多かったが、最終学年は本職のSHに座る。

 山口、和田、稲吉らがいるバックス陣は全国トップクラス。操る田村も「バックスで取り切るラグビーは見ている方も楽しいと思う」と手応えをつかむ。「走る」という地道な強化策を選んだ同大に、V奪回の雰囲気が出ている。(倉世古 洋平)

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2021年9月16日のニュース