やっと…貴景勝が初白星 捨て身の左小手投げ「自分がどうやっていくかしか考えていない」

[ 2021年9月16日 05:30 ]

大相撲秋場所4日目 ( 2021年9月15日    両国国技館 )

貴景勝が突き落としで豊昇龍を下す
Photo By 共同

 休場明けで4度目のカド番大関・貴景勝がようやく、初白星を挙げた。豊昇龍を必死の小手投げから突き落とした。新横綱・照ノ富士は北勝富士を引き落とし4連勝。横綱、大関陣が今場所初めて安泰だった。平幕は霧馬山、妙義龍、千代の国が4連勝とした。

 ひたむきに攻めた。4度目のカド番で初日からいきなり3連敗。一度返り咲いた大関の座が危うくなる中、貴景勝が必死の取り口で新鋭の豊昇龍から今場所初白星をもぎ取った。

 「毎日準備してやっている。相手どうこうより、自分がどうやっていくかしか考えていない」。いつも通り表情を変えずに口にした。

 先場所2日目、立ち合いの衝撃で首を痛め、翌3日目から途中休場した。「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアによる神経根症」。その影響が心配される立ち合いでは、頭から激しくはぶつからず、踏み込んですぐに突き、押しを繰り出した。自己最高位の成長株に右下手を許したが、捨て身の左小手投げで窮地脱出。しぶとく向かってきた相手に対して体を開き、何とか突き落とした。

 初日、2日目といいところなく屈した。前日は敗れたものの逸ノ城を攻める場面があった。そしてこの日の勝利。八角理事長(元横綱・北勝海)は「本場所でこういう相撲を取っているとだんだん重さが出てくる。光がちょっと見えてきた」と受け止めた。

 カド番脱出にはあと7勝が求められる。厳しい土俵が続く状況に「勝ったからどうということでもない。数字は終わってからでいい」。試練に無心で立ち向かっていく。

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2021年9月16日のニュース