引退の萩野 “大成しない”常識を覆した「学童からの天才」 苦悩の日々乗り越え取り戻した笑顔

[ 2021年8月25日 05:30 ]

東京五輪で競泳男子200メートル個人メドレーの決勝進出を決め目頭を押さえる萩野
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 【担当記者が見た萩野公介】正真正銘の天才スイマーだったと思う。日本水泳連盟の青木剛前会長はよく言っていた。「萩野は水泳界の常識を覆したね」。水泳界では日本学童記録を作った選手は大成しないと言われる。小学生の頃は体の成長の早い選手が優位で、その後アドバンテージを失うからだ。小学生の萩野は決して体は大きくなかったが、背泳ぎや個人メドレーで学童記録を連発。今も長・短水路計4つの記録が残る。幼い頃から水をつかむ感覚は抜群だった。

 天才は繊細だった。右肘の故障に端を発して、その感覚を失ったのは17年。当時話を聞いた時には驚いた。「しんどいです。夜も眠れない。オフの日も、ウォークマンをなくしたことや財布を忘れたこと、嫌なことをずっと数えている」。水泳はもちろん、関係ないネガティブなことまで数えているとは、心の闇は相当深いと思った。

 その後もベストの泳ぎは戻らなかった。苦悩の日々は想像を絶する。だから、この一年萩野の笑顔が増えたことが本当にうれしかった。(元水泳担当・柳田 博)

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