国枝「勇気と覚悟を持つ」1年延期、無観客、自国開催、主将――パラ開会式で宣誓

[ 2021年8月25日 05:30 ]

東京パラリンピック開会式 ( 2021年8月24日    国立競技場 )

東京パラリンピック開会式で宣誓する(左から)車いすフェンシングの審判の東氏、浦田、国枝、水泳コーチの谷口氏(撮影・木村 揚輔)
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 第16回夏季パラリンピック東京大会は24日夜、無観客の国立競技場(東京都新宿区)で開会式が行われた。大会には161の国・地域と難民選手団を合わせ、史上最多4403人の選手が参加する。会期は13日間で、競技は25日に始まる。開会式には各国・地域の選手団約3400人が参加。日本選手団は史上最多の選手254人で、主将を務める車いすテニスの国枝慎吾(37=ユニクロ)は特別な思いを胸に選手宣誓した。

 パイオニアは、揺るがない決意で、言葉に思いを乗せた。国枝は、副主将でゴールボール女子の浦田理恵(44=総合メディカル)らと宣誓。「パラスポーツを通じて世界をより良い共生社会にする」と誓った。5大会連続出場だが、今回はこれまでとは違う。「勇気と覚悟を持って全力で戦い抜く」。1年延期、無観客、自国開催、主将――。この大舞台には、並々ならぬ思いで挑んでいる。

 コロナ禍で、開催を危ぶむ声や中止の議論があった。でも、アスリートにできたことは、ただ一つ。「自分のことに集中して積み重ねていくこと」。大会があると想定し、ひたすら練習に打ち込んだ。だからこそ、「開会式を迎えられるのは、それだけで奇跡的。感謝しないといけない」と胸に刻んでいる。

 パラアスリートたちは、結果だけを追い求めているわけではない。願うのは、競技の魅力や障がいがあっても乗り越えられる姿を知ってもらうことだ。国枝は「一人でも多くの方にパラリンピックのファンになってほしい」と思いを込める。

 主将としては、結果で日本チームを後押しする。「言葉より、自分のプレーで選手団を勢いづかせたい」。狙うは、2大会ぶり3度目のシングルス頂点だ。午前中には本番会場の有明テニスの森で1時間、汗を流した。「金メダルを獲るという強い気持ちを持って臨む。自信もある」。日の丸の重み、感謝、願い、勇気と覚悟を胸にコートへ。国枝のTOKYO2020が幕を開けた。

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2021年8月25日のニュース