内藤雄士&野田すみれ【90切りからのステップアップ】第8回 インテンショナルスライスを打つ方法

[ 2021年8月20日 12:00 ]

内藤雄士&野田すみれ【90切りからのステップアップ】第8回インテンショナルスライスを打つ方法
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 今回のテーマはアイアンでインテンショナルスライスを打つ方法です。内藤雄士コーチによれば、目の前に木などの障害物があるときに有効とのこと。しかも、フックの度合が強い人にはスイング矯正にもなるので、引っかけ癖のある野田すみれさんには有効です。もちろん、意図的にスライスを打つことができれば、ピンの攻め方も広がります。アベレージゴルファーにも大きな武器になります。打ち方自体は難しくないので、ぜひ身につけましょう。

 内藤 今回もアイアンショットのレッスンです。野田さんはインテンショナルスライスを打つのは苦手ですよね?

 野田 やっぱり分かっちゃいますか(笑)。

 内藤 けっこうインサイドからクラブを下ろすタイプですからね。ちなみに、目の前に大木があって、スライスを打たなければグリーンを狙えない状況ではどう対応しているんですか?

 野田 一応スライスを打とうとはしますよ。クラブフェースを開いてオープンスタンスで構えたら、体重を左足に多めに乗せて、カット軌道でクラブを振り抜きます。

 内藤 セオリー通りの打ち方ですし、特に問題はないと思います。ただ、その打ち方だと飛距離をロスしませんか?男子のツアープロはインテンショナルスライスを打っても大きく飛距離を落としません。その理由は別の打ち方をしているからです。

 野田 どのような打ち方ですか?

 内藤 ボールを打ち出したい方向に対して体の向きを合わせたら、そのままオンプレーンにクラブを振る打ち方です。とりあえず、ボールの先にスティックを1本立てますね。このスティックよりも左に打ち出して右に曲げることができれば、インテンショナルスライスの完成です。具体的な打ち方ですが、先ほどよりもオープンスタンスの度合いを大きくします。ボールの位置は左足踵の内側、もしくはさらにボール1個分内側にセットします。フェースは目標に向けておき、アウトサイドではなく、スイングプレーンに沿ってクラブを上げましょう。ダウンスイングでもスイングプレーンに沿ってクラブを下ろしてくるのがポイントです。

 野田 カット打ちではないんですね?

 内藤 そうです。あくまでもスイングプレーンに沿ってクラブを上げて下ろします。このままだと左サイドへ真っ直ぐ飛んでいくと思うかもしれませんが、インパクトでボールを捉えたら、そのままフェースを返さずに振り抜いて下さい。フォロースルーでヘッドが頭よりも高く上がったときに、フェース面が飛球線後方を向いていればOKです。バックフェースが飛球線後方を向いている人はフェースを返している証拠です。フェース面が後方を向いていれば、フェースを開いた状態でボールをとらえたことになり、スティックよりも左に打ち出された後、右に曲がります。

 野田 難しそうですね。

 内藤 確かに説明だけ聞くと難しく感じますが、実際に打つと、フェースを返さない動きは意外と簡単にできることを理解できます。極端なインサイドからクラブを下ろしてくる人にはスイングの矯正にもなりますし、ぜひ練習場で試してみましょう。

 (取材協力=ハイランドセンター)


 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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