大坂 プラス思考の勝利「自分らしく」、涙の会見から2日…17歳ガウフに逆転発進

[ 2021年8月20日 05:30 ]

テニス ウエスタン・アンド・サザン・オープン ( 2021年8月18日    米オハイオ州シンシナティ )

ウエスタン・アンド・サザン・オープン女子シングルス2回戦、ガウフに勝利した大坂
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 女子シングルスで世界ランキング2位の大坂なおみ(23=日清食品)が初戦の2回戦で同24位のコリ・ガウフ(17=米国)に4―6、6―3、6―4で逆転勝ちした。3回戦で敗れた東京五輪以来約3週間ぶりの公式戦で、過去1勝1敗と苦戦していた米国のホープを撃破。3回戦は同65位のジル・タイヒマン(24=スイス)と対戦する。

 開眼した。メディアとの関係を問われて涙した16日の会見から2日。大坂は父親の出身地ハイチでの地震やアフガニスタン情勢を受け、自身の悩みがちっぽけだったと悟った。もう負けることは恐れない。昨年の全豪オープンで敗れた17歳のホープ・ガウフに競り勝ち「たとえ負けたとしても勝者だと感じていたと思う。世界ではさまざまなことが起きていて、朝起きるだけで勝利」と視線を上げた。

 リードを許しても崩れなかった。第1セットは第1サーブ成功率が48%に低迷して苦戦。第8セットで先にブレークを許して落としたが「試合数をこなせていなかったので、雰囲気をつかもうと思った。落ち着いて冷静さを失わないように努めた」と慌てることなく対応した。第1サーブ成功率は第2セット58・6%、第3セット66・7%と試合が進むごとに向上。ショットの精度も上がり、逆転勝ちにつなげた。

 試合後はメディア対応に嫌気が差した原因を「(負けた時の)ひどい見出しが怖かったのだと思う」と自己分析。さらに新型コロナ対応でバブル方式の大会が続き、外部との接触が絶たれたことも精神的不安の一因だった可能性にも言及した。その上で「ここに来てファンの前でプレーすることが一つの成果。誰よりも自分らしくいようと思った」と前向きな気持ちを取り戻したことを強調。「厳しい戦いだったが、感触は良かった。次の試合も楽しみ」と力を込めた。うつ克服の一歩になる可能性もある価値ある白星を手にした。

 《ガウフと「ライバル」歓迎》試合後の会見で大坂はガウフとのライバル関係を問われ「ライバルと言われるとワクワクする。フェデラーとナダルのようなライバル関係がスポーツをつくると思う。女性側でも同じような関係が築けたら素晴らしい」と声を弾ませた。この日を含め、対戦成績は2勝1敗。初対戦した19年全米オープン3回戦では6―3、6―0で快勝。試合後には涙するガウフを誘い、一緒にコート上でインタビューを受けた。若くして注目を集める17歳の気持ちを理解するだけに、今後もともに女子テニス界を盛り上げたい思いは強い。

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