リネールに勝った男・影浦、日本勢12大会ぶり100キロ超級V!パリ五輪へ重量級新時代の主役名乗り

[ 2021年6月14日 05:30 ]

柔道世界選手権第7日 ( 2021年6月12日    ブダペスト )

金メダルを掲げる影浦(AP)
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 男女各1階級が行われ、男子100キロ超級は影浦心(25=日本中央競馬会)が初優勝した。日本勢の同級制覇は03年の棟田康幸以来、12大会ぶりの快挙。今大会には東京五輪で3連覇を目指すテディ・リネール(フランス)は出場していないが、昨年2月にその絶対王者の国際大会連勝を154で止めた影浦が、再び大仕事をやってのけた。

 リネールがいない、18年世界王者のツシシビリ(ジョージア)、19年世界王者のクルパレク(チェコ)もいない。それでも我慢の連続で勝ち上がった影浦が、決勝では最大のライバルと目されたロシアの新鋭バシャエフから得意の背負い投げで技ありを奪い完勝。「結果が出たことはうれしいが、内容が全然ダメ」と反省ばかりが口をついたが、畳を下りると井上康生監督から熱い抱擁を受け、穏やかな笑みを浮かべた。

 昨年2月のグランドスラム(GS)パリ大会3回戦でリネールを破ったが、同大会は準優勝止まり。東京五輪代表は逃した。コロナ下で一時はモチベーションが大幅に低下したが、同年元日に結婚したねね夫人から奮起を促され、改心。照準を24年パリ五輪に定め、「凄く調子が悪かった」という中で「絶対獲らないといけない」タイトルを獲得した。

 男子最重量級にあって1メートル79の身長は小柄な部類だが、オーソドックスとは逆の左組み手から繰り出す担ぎ技を武器に、国内トップクラスに成長。身長1メートル70で、同じ愛媛県出身の棟田氏と柔道スタイルも似ているが、同氏がかなえられなかった五輪出場へ「背負い投げばかりに偏るので、もっと技の幅を広げて隙のない選手になりたい」と課題を挙げた。

 「重量級の再建」を掲げて12年ロンドン五輪後に就任し、東京五輪後の退任が決まっている井上監督にとっても、初の100キロ超級の世界タイトル獲得となった。「監督に金メダルを掛けられたことは本当にうれしく誇らしい」と影浦。“世界一”の称号が本物であることを証明するための闘いが始まった。

 ◆影浦 心(かげうら・こころ)1995年(平7)12月6日生まれ、松山市出身の25歳。小4時に松前柔道会で競技開始。松山西中3年で全国中学大会90キロ超級5位。新田高から東海大に進学し、大学3年時にアジア選手権優勝。17年2月のグランプリ・デュッセルドルフ大会で国際ツアー初優勝。18年パリでグランドスラム初制覇。日本中央競馬会所属。1メートル79、120キロ。左組み。得意技は背負い投げ。

 ≪男女最重量級同時金メダルは初≫日本勢は個人戦の男女各7階級で男子2個、女子3個と合計5個の金メダルを獲得した。メダル総数では男子が3個、女子は63キロ級以外の8個。また、男子100キロ超級の影浦、女子78キロ超級の朝比奈が優勝し、世界選手権が男女同時開催された1987年以降、日本の男女最重量級(無差別級は除く)の同時金メダルは初。

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