サンズがスイープで11年ぶりに西地区決勝に進出 ナゲッツのヨキッチは第3Qに退場処分

[ 2021年6月14日 12:21 ]

第3Q、フレイグラント2の反則で退場となったヨキッチともみあうサンズのブッカー(AP)
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 NBA西地区第2シードのサンズが13日、敵地デンバー(コロラド州)で行われた準決勝の第4戦で125―118(前半63―55)で勝利を収めて4戦全勝。2010年以来、11年ぶりに地区決勝に駒を進めた。プレーオフでのスイープ突破は2005年の1回戦(対グリズリーズ)、10年の地区準決勝(対スパーズ)を含めてチーム史上3回目。NBA16季目で自身初のファイナル出場を目指すクリス・ポール(36)が37得点、デビン・ブッカー(24)が34得点を稼いで、今ポストシーズンではレイカーズとの1回戦第4戦からチーム新記録となる7連勝を飾った。

 サンズは1976年と93年のファイナルに出場しているがいずれも敗退。優勝経験のないチームの中ではプレーオフ通算で最多の141勝目(143敗)を挙げているが、この部門の記録の対象から“除外”されるチャンスを今季はつかんでいる。

 昨季の西地区決勝に進出したナゲッツがプレーオフで0勝4敗となって姿を消すのは、2008年1回戦(対レイカーズ)以来、13年ぶり2度目。今季のMVPに選出されたセンターのニコラ・ヨキッチ(26)は28分で22得点と11リバウンド、4アシストをマークしたが、第3Qの残り3分52秒、シュートを外したあとにサンズのキャメロン・ペイン(26)に対して右手を振り回す形でボールをはたき、その際に手がペインの顔面に接触したことで「フレイグラント2」の反則をコールされて退場処分となった。

 このときヨキッチの行為に怒ったサンズのブッカーとはもみあい状態(ブッカーはテクニカル・ファウル)となり、コート上は一時騒然。場内ではナゲッツのファンから“MVPコール”が沸き起こっていたが、審判はビデオでチェックしたあと、ヨキッチにNBAでは最も重い反則を通告した。

 ナゲッツはウィル・バートン(30)が25得点、マイケル・ポーターJR(22)が20得点を挙げたものの苦杯。デンバーのボール・アリーナに詰めかけた1万8290人(収容能力の94%)の地元ファンを歓喜させることはできなかった。

 なおシーズンMVPを擁するチームがプレーオフでスイープによる敗退を喫したのは、1989年にMVPに選出されたマジック・ジョンソンが所属していたレイカーズがファイナルでピストンズに1勝もできずに敗れて以来。NBAでは32年ぶりの珍しい出来事となった。

 一方、東地区第3シードのバックスは地元ミルウォーキー(ウィスコンシン州)で第2シードのネッツを107―96(前半53―48)で下して2勝2敗。ヤニス・アデトクンボ(26)が34得点と12リバウンドを稼ぎ、ホームで白星を2つ並べた。

 ネッツはケビン・デュラント(32)が42分の出場で28得点を稼いだが、テキサス大の先輩でもあるバックスのP・J・タッカー(36)の密着ディフェンスにあってフィールドゴールの成功は25本中9本。3点シュートは8本中1本しか決まらなかった。

 ネッツではすでに第1戦の開始早々にジェームズ・ハーデン(31)が右太腿を痛めて戦列を離脱しているが、第4戦では第2Qにカイリー・アービング(29)がゴール下でシュートしたあとに右足首を捻挫。検査の結果、大事には至っていないが第5戦以降の出場に不安を残した。

<地区準決勝の組み合わせと経過>
 ▼東地区
(1)76ers―(5)ホークス(76ersの2勝1敗)
(2)ネッツ―(3)バックス(2勝2敗)
 ▼西地区
(1)ジャズ―(4)クリッパーズ(ジャズの2勝1敗)
(2)サンズ―(3)ナゲッツ(サンズの4勝)
 *カッコ内の数字は地区全体順位

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