ゴジラの親戚 序ノ口・松井が勝ち越し 破壊力抜群164キロ 母の誕生日に約束通り白星

[ 2021年5月19日 05:30 ]

大相撲夏場所10日目 ( 2021年5月18日    両国国技館 )

最上桜を突き出しで破る松井(右)(撮影・西海健太郎)
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 プロ野球の巨人、大リーグのヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(46)の親戚で今場所序ノ口デビューを果たした松井(18=時津風部屋)が最上桜(15=式秀部屋)を下し4勝1敗で勝ち越しを決めた。ゴジラと呼ばれた松井氏をほうふつさせるパワーを発揮。この日が誕生日だった母・紀子さんに最高のプレゼントを贈った。幕内は単独首位の大関・照ノ富士が無傷の10連勝。2敗で大関・貴景勝と平幕・遠藤の2人が追う展開となっている。

 まさにゴジラを連想させる破壊力だ。1メートル75、164キロの松井は1メートル87、142キロの相手にもろ手で先制すると、相手の上体を起こして一気に土俵の外へ運んだ。この日は母・紀子さんの49回目の誕生日で、取組前には「プレゼントはいいので、白星をちょうだい」と言われたという。デビュー場所で4勝目を挙げ「特別な思いで臨みました。一直線に前に出られたし、納得です」と笑顔をのぞかせた。

 父の拡二(こうじ)さんは松井秀喜さんのはとこ。「尊敬している」という野球界のスターと直接会ったことはないが、部屋の兄弟子からはすでに「ゴジラ」の愛称で可愛がられている。力士に憧れて地元の強豪校を目指したが夢かなわず、高校入学後は柔道部へ入部した。その柔道でインターハイ出場など実績を残し、両親を説得。昨年6月からは幕内の遠藤らも通った名門道場で鍛錬し、時津風部屋の門を叩いた。

 本格的に相撲に打ち込んだ期間は短いが、迫力満点の突き押しは今後の活躍を期待させる。「これからも前に出て迫力ある相撲を取りたい」と松井。角界にも新たな「ゴジラ伝説」が生まれるかもしれない。 (黒田 健司郎)

 ◇松井 拡樹(まつい・ひろき)2002年(平14)11月7日生まれ、石川県白山市出身の18歳。4歳から柔道を始め、鶴来高2年時に100キロ超級でインターハイ出場。父・拡二さん(53)と松井秀喜氏がはとこ。野球は阪神ファンで「マートンとか好きだった」。春場所初土俵もコロナ下で前相撲が行われず、夏場所初日に新序出世披露。1メートル75、164キロ。家族は両親と姉、弟。
 

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