パナソニック・福岡、ダメ押しトライ4強!ラスト熊谷で躍動 現役まだ続く

[ 2021年5月9日 05:30 ]

ラグビートップリーグ・プレーオフトーナメント準々決勝   パナソニック32―17キヤノン ( 2021年5月8日    熊谷 )

<パナソニック・キヤノン>後半17分、トライを決める福岡(撮影・吉田 剛)
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 2試合が行われ、パナソニックは32―17でキヤノンを下し、4強入りを果たした。3月の対戦で47―0と圧倒した相手の圧力に押され気味だった後半17分、先月に順大医学部に進学し、今季限りで現役を退くWTB福岡堅樹(28)が80メートルを独走するトライ。ディフェンスでも貢献し、自らの花道を飾る優勝にあと2勝と迫った。トヨタ自動車はNTTドコモとの接戦を制して4強入り。両軍は15日の準決勝(花園)で対戦する。

 「世界1速いDr 福岡堅樹 君のTRYを忘れない」。ホーム熊谷でのラストマッチ。ファンが掲げたボードがビジョンに映し出されると、福岡は思わずほほ笑んだ。「カウンターは強みの一つ。しのいでからの攻撃で、メンタル的にも勢いを与えるトライになったと思う」。試合の流れを変えて大勢を決める、数字以上に価値あるトライを振り返った。

 20―3で折り返した後半は風下。キヤノンの多彩な攻撃に手を焼き、同7分に先にスコアを許して20―10とされた。その後もボールを保持されたが、粘り強く守った。トライ直前、相手SO田村が苦し紛れにキックしたのも、攻め手が尽きたからこそ。そのボールを獲得し、田村、No・8マフィとW杯を2大会連続で共に戦った2人を鮮やかにかわし、インゴールに気持ち良さそうにダイブした。

 ロビー・ディーンズ監督が「ディフェンスでも貢献が大きかった」と称えたように、献身的なバックアップと確実性の高いタックルでピンチの芽を摘み、前半32分にはジャッカルに成功。相手主将の田村に「堅樹はスペシャル」と舌を巻かせた福岡も「チームの強みはディフェンス」と言った。ただ速いウイングではない。唯一無二の存在であることを証明し、また1週間、現役生活を勝ち取った。

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