荒井 女子高飛び込み銀!日本勢15年ぶりW杯表彰台、精度極め好演技連発

[ 2021年5月6日 05:30 ]

飛び込み W杯兼東京五輪最終予選第5日 ( 2021年5月5日    東京アクアティクスセンター )

飛び込みW杯東京大会第5日 女子高飛び込み決勝、2位となりメダルを手に笑顔を見せる荒井(撮影・会津 智海)
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 女子高飛び込み決勝で東京五輪代表の荒井祭里(20=JSS宝塚)が342・00点で銀メダルに輝いた。W杯の日本勢の表彰台は06年中国・常熟大会の女子シンクロ高飛び込み中川真依・山下美沙子組の銀メダル以来15年ぶり。男子板飛び込み予選は須山晴貴(23=栃木県スポーツ協会)が385・15点の19位で敗退。18位以内が条件となる代表権に届かなかった。伊藤洸輝(21=JSS宝塚)は5本目で板から落下する痛恨の0点演技が響き47位に沈んだ。

 二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず。ここ数年の荒井は演技の難易率を追わず、精度にターゲットを絞ってきた。難易率の上げ下げを繰り返す試行錯誤の時期を経験し、現在は「簡単でもきれいにまとめる」が信条だ。12人で争う決勝の演技構成の難易率は下から数えた方が早い。それでも入水でしぶきの立たないノースプラッシュを連発して5本全てで65点以上の好演技をそろえた。

 W杯の日本勢のメダルは15年ぶり。個人種目に限れば04年アテネ大会の女子高飛び込み銅メダルの宮崎多紀理以来17年ぶりで、2位は最高成績となる。2日のシンクロ高飛び込みは板橋とのペアで7位。五輪代表を確実にしたが、表彰台が目標だっただけに「ショックだった」と納得がいかなかった。試合のない3日に猛練習。プールを使える時間が30分に限られる中、プールサイドで約4時間もジャンプの動作を確認する基礎練習を続けた。

 今大会は中国勢をはじめとする多くのトップ選手が出場を見送っており、自身が9位だった19年世界選手権に当てはめると7位相当の記録。日本飛び込み界悲願の五輪メダルは簡単ではないが「目標は五輪でのメダル獲得。細かい部分を修正して百発百中で決められるようにしたい」と力を込めた。

 ◆荒井 祭里(あらい・まつり)2001年(平13)1月18日生まれ、兵庫県出身の20歳。小学1年から競技を始め、兵庫・甲子園学院高時代に全国総体3連覇。世界選手権は17年ブダペスト大会、19年韓国・光州大会と2大会連続出場。名前には「祭りのように周囲に人が集まる存在になってほしい」との願いが込められている。1メートル50、39キロ。

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