内藤雄士の90切りゴルフ【第2回 ストロンググリップをつくる】

[ 2021年4月23日 12:00 ]

内藤雄士コーチ(左)と野田すみれ
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 第2回はドライバーショットの方向性と飛距離アップがテーマです。アベレージゴルファーがスライスに悩むのは、グリップに問題があると指摘する内藤雄士コーチ。ポイントは左手親指の位置と人差し指との間隔にあると言います。そこをチェックするだけで、ボールのミート率は一気に上がるとのこと。ぜひ参考にしましょう。ゴルフと芸能活動の二刀流で活躍中の野田すみれさんがアシスタント役を務めます。

 内藤 野田さんがドライバーショットで気をつけているポイントはありますか?

 野田 アッパー気味に捉えることが多いので、なるべくボールの前後30センチはレベルに振るように心がけています。

 内藤 いわゆるビジネスゾーンですね。アベレージゴルファーの場合、野田さんと違って、アウトサイドからダウンブロー気味にクラブを下ろす人が多いようです。その結果、距離の出ないスライスを打ってしまいますが、そういうタイプにもビジネスゾーンでレベルにヘッドを動かすのは大切ですね。ちなみに、野田さんは左手の親指をシャフトのどこに置いていますか?

 野田 シャフトの真上よりも右側ですね。

 内藤 さすがボールがつかまり過ぎることが悩みというだけあって、正しい位置に左手の親指を置いていますね。最近のデカヘッドドライバーは重心距離、シャフト軸からクラブ重心位置までの距離が長くなっています。そのためフェースが開きやすく、一度開いたフェースをスクエアに戻す作業は困難です。無理にヘッドを返すと、今度はフェースが閉じ過ぎてしまいます。難しいフェースコントロールを管理してくれるのが、左手のグリップなんです。

 野田 左手親指の位置が重要なんですか?

 内藤 例えば、シャフトの真上に置いてあると、ダウンスイングからフォロースルーにかけてフェースが開いてしまいます。そのままボールをとらえるとスライスになります。ところが、シャフトの真上よりも右に置くと、フェースが閉じたまま下りてくるので、ボールをつかまえることができるわけです。

 野田 なるほど。確かにボールをつかまえやすい感じがします。

 内藤 ただし、一つだけ条件があります。左手親指と人差し指の距離です。いくら左手親指をシャフトの真上よりも右に置いたとしても、人差し指との距離が離れていれば、ウイークグリップで握っているのと同じです。親指と人差し指がくっついてこそ、ストロンググリップに握ることができます。あとは前回説明したように、右脇を締めて、右肘を下に向けた状態で、右手をクラブの横から握り、右手親指と人差し指のV字が首のつけ根を指していれば、正しいグリップの完成です。

 野田 私が打つとつかまり過ぎて左へ引っかけてしまいますね。

 内藤 その原因はやはり前回説明したように右手のグリップにあります。親指と人差し指でできるV字が右肩よりも右を向いているからです。せめて首と右肩の間を指すぐらいに収めると、引っかけずに済みます。ボールがつかまり過ぎないので、安心して強く振れる分、飛距離も伸びると考えましょう。

(取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)


 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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