全空連が香川前強化委員長解任理由を公表 竹刀稽古で植草にケガ「最高指導者としての適格性に欠ける」

[ 2021年4月15日 21:50 ]

今月9日、全日本空手道連盟理事会を終えて五輪会館を後にする香川政夫氏(撮影・西尾 大助)
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 全日本空手道連盟(全空連)は15日、東京五輪組手女子61キロ超級代表の植草歩(28=JAL)に対する不適切な行為により香川政夫氏(65)が強化委員長を解任された件について、解任を決議した9日の臨時理事会の内容と、倫理委員会による報告書の骨子を同連盟公式ウェブサイトで公表した。同連盟は9日の臨時理事会後の取材対応では、解任理由を明確にしていなかった。

 臨時理事会の内容報告によれば、香川氏は今年1月27日に竹刀を使用した稽古により、植草に「左眼部打撲」等を負わせた。同種の事故は稽古を開始した昨年12月25日にも発生しており、香川氏の行為や姿勢が「申告者(植草)に対する配慮を著しく欠くもの」と評価。竹刀稽古は倫理規定が定める身体的暴力に直接該当しないとしつつも、これに準じるものと認定し、「最高指導者」として「当連盟の選手強化委員会の委員長としての適格性に欠けると評価した」と結論付けたという。

 一方、植草が倫理委員会で申告したとされる香川氏による他のパワハラ行為については「その余の事実については認定しておりません」とした。また、今回の事案が帝京大空手道部道場で発生し、「倫理委員会での調査に限界があった」と認めながらも、東京五輪が迫る中で「現場の混乱の収拾とアスリートの環境整備を最優先事項として考慮」した結果、解任決議に至ったという。

 植草は今月14日まで行われていた組手強化選手の合宿には参加せず、五輪本番へ向けて独自の拠点で練習中。4月30日~5月2日に開催されるプレミアリーグ・リスボン大会(ポルトガル)に出場予定となっている。

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2021年4月15日のニュース