池江4冠「自分褒めたい」女子50バタ余力残し制覇、50自由形も唯一24秒台でV

[ 2021年4月11日 05:30 ]

競泳日本選手権兼東京五輪代表選考会最終日 ( 2021年4月10日    東京アクアティクスセンター )

<第97回日本選手権水泳競技大会 最終日>女子50メートル自由形決勝、4冠を達成しポーズを決める池江(撮影・会津 智海)
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 白血病から復帰した池江璃花子(20=ルネサンス)が4冠を達成した。女子50メートル自由形決勝を24秒84、非五輪種目の女子50メートルバタフライ決勝を25秒56で制覇。女子100メートル自由形、バタフライに続いて頂点に立った。今大会で女子400メートルリレー、女子400メートルメドレーリレーの五輪代表権を獲得し、出場枠の埋まっていない個人種目にも出場する可能性が高い。3年ぶりに出場した日本選手権を最高の形で締めくくり、TOKYOに弾みをつけた。

 国内では早くも敵なしとなった。前回出場した3年前に並ぶ4冠。8日で11レースを泳ぎ切り、池江は「凄くうれしい。タイムも全体的に凄く良い。自分を褒めてあげたい」と最高の笑顔を見せた。女子50メートルバタフライ決勝は「自由形を残しているので余力を残して泳いだ」と力をセーブして余裕のV。約1時間後の女子50メートル自由形も、ただ一人24秒台を出して制した。

 一時は棄権も頭をよぎった。8日の100メートル自由形決勝後は疲労がピークに達し、翌9日に予選を行う50メートル自由形を「棄権するかギリギリまで悩んだ」。レース当日に体の重さが取れたため、コーチ、トレーナーと相談した上で出場を決断。スタート台に向かう入場時には拳を突き上げ「勝つ」と自らに言い聞かせた。「日本で負けるのは今年で最後と決めていたけど、思ってた以上に成績が良かった。自分の持っている日本記録にも着実に近づいている」。手応えを得た8日間だった。

 今大会の結果で女子400メートルリレー、女子400メートルメドレーリレーの2種目で代表に内定。今後の状況次第だが、個人種目でも本大会に出場する可能性が高い。五輪を含めた過去の世界大会では、出場枠が空いている種目を他種目で出場権を得た選手が埋めることが多い。選考会で出場権を得た種目を重視することが大前提だが、池江は今大会で出場した3つの五輪種目に加え、男女が2人ずつ泳ぐ新採用の混合400メートルメドレーリレーの候補にもなる。日程の問題で全種目をこなすのは難しいが、単純計算で9日間で最大15レースとなる。

 自他ともに認める負けず嫌いで、狙った獲物を捕らえる執念は人一倍。幼少期、母・美由紀さんとのかるた対決では、ほぼ同時に札に手を出した母の爪を剥がしたこともある。2大会連続の五輪に向け「出るからにはしっかり自分の使命を果たさないといけない。五輪本番まで数カ月あるのでさらに体力はつくと思う」と自信を見せた。あくまで大目標は24年パリ五輪でのメダル獲得だが、3年前倒しで表彰台に立っても、もうビッグサプライズではない。

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