世界最高SOバレット “足技”解禁でサントリーを記録的大勝に導く

[ 2021年3月20日 20:01 ]

ラグビートップリーグ第4節代替   サントリー73―5東芝 ( 2021年3月20日    東京・秩父宮ラグビー場 )

<東芝・サントリー>キックで地域を挽回するサントリー・バレット(右は東芝・リーチ)(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 今月13日に雷のために前半途中で中止となった一戦が行われ、サントリーが73―5で東芝を圧倒。開幕4連勝で勝ち点20とし、レッドカンファレンスの首位を守った。

 開幕4戦目で、ついにSOボーデン・バレット(29)が足技を解禁した。「東芝はラインスピードを上げてディフェンスをしてくる。スペースがあれば蹴ろうと。蹴ることでラインスピードを落とし、バックスリーにプレッシャーを掛けることをイメージした」。戦前の分析を元にチームで戦術を共有。SH流大、CTB中村亮土主将の3人で、序盤は東芝のキックの雨を降らせた。

 狙い通りに東芝はラインスピードが鈍り、本来得意とする接点や密集での攻防でもサントリーが優位に立った。バレットも相手にダイレクトキャッチされないよう、絶妙な位置にキックを落として味方のラッシュを最大化し、前半13分までに敵陣で3つのペナルティーを誘発して3PG。その後も中村のキックパスからWTB中野将伍のチームファーストトライが生まれるなど、キックと本来のテンポの速い攻撃を組み合わせ、計9トライを奪ってみせた。

 サントリーの代名詞と言えるのが、自陣からもボールを保持して攻め上がる「アグレッシブアタッキングラグビー」。バレットは1月の入団会見で「自分はアグレッシブにプレーしたいので、このチームとマッチしている」と話し、「プレシーズンは蹴らずにプレーするが、シーズンに入り厳しい戦いになれば、キックを使う場面も増えてくると思う」と宣言していた。開幕3連戦は下位勢を相手に封印したが、トップリーグで自軍と並んで歴代最多タイの5度の優勝を誇る永遠のライバルを相手に禁を解いた。

 チームの4試合計254得点はリーグ断トツで、この日だけで24得点を稼ぎ出したバレットの通算76得点も、2位以下を30点以上引き離す個人得点ランキング1位。現行TL最後のタイトルへとばく進するサントリー。その中心に「楽しんでプレーできている」というオールブラックスの現役10番がいる。

続きを表示

2021年3月20日のニュース