五輪組織委・橋本聖子会長「国民に安心感ない限り難しい」五輪“開催ありき”より国民目線

[ 2021年3月6日 05:30 ]

定例記者会見に臨む東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(代表撮影)
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が5日、都内で定例会見を開き、大会の開催可否について“国民目線”で判断する考えを口にした。今夏の開催は決まっていると強調しながらも、国民の間に安心感が生まれなければ開催は難しいとも話した。一方、五輪テスト大会を兼ねた体操のW杯東京大会(5月4日、有明体操競技場)が中止の方向で協議されていることが判明。橋本会長が目指す「安心・安全」な大会開催へ厳しい状況が続く。

 橋本会長は今後、週1回の定例会見を設けて情報発信する方針を明かした。自らの提案によるもので「多くの皆さまに私の考えをお伝えして、(開催に対する)不安の払しょくにも努めていかなければならないと考えた」と説明。「コロナがどういう状況であろうとやる」と話していた森喜朗前会長時代とは逆で、先月18日の就任会見に続き、国民の理解を得ることが大事との姿勢を明確にした。

 「安心安全な大会」を目指すと繰り返す橋本会長には「どういう条件がそろえば開催できるのか、客観的な指標を示してほしい」との質問が出た。森会長は1月、同じ質問者に「明確な基準があるかと言えば、ない」と答えていた。橋本会長は「昨春に延期、大会日程が7月に決定した。その時点でこの夏の東京大会は実施すると決定した」と前置きした上で、「本当にできるのか、できないのではないか、という国民の思いは非常に重要。しっかりしたコロナ対策をしていても、感染者が減っていかない状況で地域医療のひっ迫につながるのであれば、非常に難しいのではないか。そういった心配や不安が、開催すべきと思う方々のパーセンテージが少ない要因と思う」と国民側の視点を披露。さらに「医学的、科学的な知見を踏まえ、専門家、政府、都と連携して、国民に“これであればできるんだ”という安心感を持っていただけない限り、開催は難しいと思っている。無理やり、何が何でも(開催)という捉え方をされているかもしれないが、決してそうではない」と踏み込んで発言した。

 会見では25日に福島をスタートする聖火リレーについて、武藤敏郎事務総長を責任者とする「コロナ事態対応チーム」を発足させたことも公表。各自治体と連携し、沿道で密が発生してリレーが中止となった場合の継続可否の判断などを行う。本大会開催の試金石となるイベントだけに、橋本会長は「全国を回る聖火リレーも安全が最優先」と指摘。「盛り上げるお役に立てるのなら」とリレーに合わせた“全国行脚”も辞さない覚悟を見せ、世論を味方につけようと必死な姿勢をのぞかせた。

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