IOCコーツ委員長 五輪再延期を完全否定「有効なオプションではない」

[ 2021年1月31日 05:30 ]

国際オリンピック委員会(IOC)ジョン・コーツ調整委員長
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 国際オリンピック委員会(IOC)で東京五輪の準備状況を監督する調整委員会のジョン・コーツ委員長(70)は29日、地元オーストラリアのスカイニューズで東京五輪が再延期される可能性を完全否定した。新型コロナウイルスの感染再拡大と緊急事態宣言の再発令を受けた日本国内の世論調査で五輪の中止もしくは再延期を求める声が8割以上と伝えられ、開催悲観論につながっている中で「彼らはまだ(再度の延期が)有効なオプションと考えたようだが、もはや有効ではない。それが状況を複雑にしている」と語った。

 共同通信が10日に公表した全国電話世論調査で、東京五輪・パラリンピックの再延期を求める割合は44・8%に上り、中止は35・3%。開催は14・1%にとどまっており、再延期の回答が最多だった。2度目の延期がないとの認識はトーマス・バッハIOC会長も昨年5月の段階で示していたが、開催への不安が再び高まっている状況で、IOCと組織委員会をつなぐ調整委員長の発言は重い。

 また、コーツ委員長は感染症対策をまとめた「プレーブック」と呼ばれる手引の内容にも言及した。近く公表予定で、選手は来日直前72時間以内に新型コロナの検査を受診。日本到着時も検査を行い、隔離不要ながら3日おきにも検査する。選手村からの移動は練習場や試合会場に限られ、観光は不可という。厳しい対策を示すことで、開催に向けた日本国内の理解を深めることができるだろうか。

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2021年1月31日のニュース