春高バレー前回覇者に悲劇…男子・東山、選手発熱で棄権 豊田監督「みんな泣いていた」

[ 2021年1月8日 05:30 ]

バレーボール全日本高校選手権第3日 ( 2021年1月7日    東京体育館 )

春高バレーが開催されている東京体育館
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 男子の前回優勝校、東山(京都)は選手1人に発熱者がいたため、高松工芸(香川)との3回戦を棄権した。メンバー全員が要観察扱いになり得ることを考慮し、大会実行委員会が欠場を判断した。発熱した選手はその後のPCR検査で新型コロナ陽性が確認された。今大会で選手の発熱によってチームが欠場となったのは初めて。

 優勝候補に激震が走った。東京で新型コロナウイルスの新規感染者数が2400人を突破したこの日、3回戦に臨もうとしていた東山の連覇の夢が絶たれた。

 大会事務局によると、起床時の検温で東山の選手1人に高熱が確認されたという。発熱者をのぞいたメンバーで試合会場で練習を行っていたが、主催者側が感染拡大のリスクを考えてチームの欠場を判断。無念のリタイアに、東山の豊田充浩監督は「感染対策をしっかりやり、子供たちに我慢させてここまでやってきた。それだけに残念としか言いようがない。悔しいし、選手もコーチも私もみんな泣いていた」と声を震わせた。

 発熱者が1人出ただけでの欠場指示は「厳しい」との声もあるが、大会事務局の担当者は「昨今の世間の感染状況を鑑みた結果の判断となった。PCR検査で陽性の確認前だったが欠場とした」と理由を説明した。

 豊田監督によると、昨年の地区予選終了後から、全ての対外試合は取りやめ、試合形式の練習は部内での紅白戦に限定。OBが練習協力を申し出ていたが、それも断るなどできる限りの感染対策をとっていたという。豊田監督は「一年間辛抱してやり続けたことは無駄にはならない。体調不良者もしっかりやってくれた。対策もしっかり頑張ってきたし、誰が悪いということは絶対にない」と選手に語りかけた。 
 
 【高校スポーツとコロナ】
 ☆バスケットボール(12月23~29日 東京体育館など) 開幕前に陽性者が確認された男子の市船橋(千葉)、桐光学園(神奈川)、男女の土浦日大(茨城)の4チームが欠場。大会中に選手1人に発熱者が出た男子の光泉カトリック(滋賀)、実践学園(東京)、対戦相手の関係者に陽性者が発生した開志国際(新潟)の3チームが棄権を余儀なくされた。その後のPCR検査で、発熱者はともに陰性が判明。開志国際高の選手は濃厚接触者に当たらないことが確認された。

 ☆サッカー(12月31日~1月11日 埼玉スタジアムなど) 開会式は1回戦8会場で規模を縮小して実施した。1回戦から準々決勝までは、出場チームの選手の保護者や学校関係者のみが観戦可能だった。当初、準決勝と決勝のチケットは一般販売される予定だったが、政府の大規模イベントの自粛方針が通達されたことで中止。コロナウイルス感染拡大の影響で、5日に関係者の入場規制も決まり、無観客試合となった。感染者は出ていない。

 ☆ラグビー(12月27日~1月9日 花園ラグビー場) 史上最多63校の出場で全試合を無観客開催。会場に入れるのは1チーム40人までに制限。開幕2週間前から検温を義務づけ、37.5度以上の発熱があれば出場できない。ロッカーのシャワーは使えず、試合終了後は35分以内に退去。陽性反応が出た場合は保健所などと協議して出場可否を判断するが、準決勝まで感染者は出ていない。

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2021年1月8日のニュース