東福岡 4強進出も胸中複雑 ライバル棄権に指揮官「切り替え難しかった」

[ 2021年1月8日 05:30 ]

バレーボール全日本高校選手権 男子準々決勝   東福岡2―1高松工芸 ( 2021年1月7日    東京体育館 )

2度のフルセットを戦いベスト4入りを決めた東福岡・柳北
Photo By スポニチ

 東福岡が優勝した2015年度大会以来となる4強に進出した。主砲・柳北が、身長2メートル10の高松工芸・牧大晃(2年)との大会注目エース対決で、打ち勝った。

 第1セットを奪取も、第2セットは牧の高さに屈した。最高到達点3メートル45を誇り、高さではめったに負けることがない身長1メートル92の柳北が「ずっと上から打たれた」。ブロックが効かず、自分のスパイクはつかまった。

 勝負の第3セット。「レシーバーを信じてワンタッチを取れるブロックにした」と修正。ブロックではじかれたボールを拾う粘り強いバレーで、6―8の劣勢から7連続得点で逆転。主導権を握った。

 柳北へのマークも厳しく、再度追いつかれ1点を争う展開。セッターの近藤蘭丸(2年)に「トス上げてこい」と声を掛けた。近藤は、つかまっていた柳北以外を使おうと考えていたが「その言葉に強い意思を感じたので、3年生の威信にかけた」と板櫃中から共に戦ってきた先輩を信じた。約4時間前の3回戦でも福井工大福井とフルセットの熱戦。この日2戦目のフルセットで疲労もピークだった。それでも柳北は顔に疲れを出さなかった。意地で相手エースとの壮絶な打ち合いを制した。 

 この1年は前回準々決勝で敗れた打倒東山を目標にしてきた。お互い勝ち進めば準々決勝での再戦が待っていたが、東山の選手に新型コロナ陽性者が出たため、ライバルは棄権。藤元聡一監督は「喪失感というか、気持ちの切り替えが難しかった」とメンタル面でも苦しい戦いとなったことを明かした。

 柳北が「絶対日本一になる」と言い続けてきた目標にまた一歩近付いた。エースは「まだ100%じゃない」と満足はしていない。「どのチームより練習してきた自信がある。センターコートで100%を出したい」。日本一へ、さらなる爆発の予感を漂わせた。

 ≪柳北、日本一誓う≫新型コロナ感染でライバルの東山が高松工芸との3回戦を棄権した。柳北は「優勝候補の東山に勝って日本一になろうと頑張ってきた。東山だけではなく、どこも日本一を目指して頑張ってきたと思う。負けた他のチーム全ての思いを背負って日本一になる」と誓った。セッターの近藤は「去年の3年生から、準々決勝で絶対に東山に勝ってくれと言われていたし、準備をして倒そうとしていたので残念」と複雑な表情だった。

続きを表示

2021年1月8日のニュース