桃田賢斗、激動の11カ月「シャトルが2重に見える」交通事故、右目手術、五輪延期…復帰の歩み

[ 2020年12月23日 12:11 ]

バドミントン全日本総合選手権第2日 ( 2020年12月23日    東京・町田市立総合体育館 )

桃田の事故を伝える今年1月14日付のスポニチ本紙
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 男子シングルス1回戦で世界ランキング1位の桃田賢斗(26=NTT東日本)が森口航士朗(埼玉栄高)に2―0で勝利し、順当に2回戦に進んだ。桃田が公式戦のコートに立つのは今年1月12日のマレーシア・マスターズ決勝以来346日ぶりとなった。翌13日に不慮の交通事故に遭い、負傷。右目の手術や五輪延期、復帰戦の後ろ倒しなど激動の11カ月を振り返った。

▽1月12日 マレーシア・マスターズ決勝でアクセルセン(デンマーク)に2―0で勝ち、優勝。下肢の炎症のため14日からのインドネシア・マスターズには参加せず帰国する運びとなった。

▽1月13日 クアラルンプール国際空港に移動中のワゴン車が高速道路で大型トラックと衝突。2列目に乗っていた桃田は顎部、眉間部、唇の裂傷と全身打撲と診断。大量出血した眉間は現地の病院で縫合手術。マハティール首相の妻シティ・ハスマさんらも見舞いに駆け付けた。

▽同14日 日本バドミントン協会の銭谷専務理事が都内で報道陣に対応。桃田が3月の全英オープンでの復帰を目指すことを明かし、「命に別条がなかったことは奇跡」と涙した。

▽同15日 成田空港に緊急帰国。眉間部に痛々しい傷が残る。都内の病院に検査入院。

▽同17日 都内の病院を退院。精密検査の結果「身体面に異常なし」の診断。休養に入る。

▽同20日 日本代表の朴柱奉ヘッドコーチ、中西コーチが取材対応。2月3日からの日本代表合宿に桃田を招集し、状態を見極める方針を明かす。

▽2月3日 味の素ナショナルトレーニングセンターの日本代表合宿に合流。

▽同4日 別メニューで練習した際に「シャトルが二重に見える」と違和感を訴える。5日に合宿を離脱。

▽同7日 専門病院で目に特化した検査を受け、右目の眼窩(がんか)底骨折が判明。

▽同8日 保存治療とてんびんにかけた結果、手術に踏み切り、全治3カ月と診断。

▽同13日 午前に退院。香川県内の実家でしばらく静養。

▽同29日 27日の診断で問題なく、NTT東日本のチーム練習に復帰。

▽3月6日 NTT東日本で会見し、事故後初めて語る。「東京五輪で金メダルを」と宣言。

▽同25日 東京五輪の1年延期についてコメント。「より一層練習に励んでいきたい」などとコメント。

▽6月26日 オンライン取材で右目について「98%くらい前と同じように見える」と状態を明かす。

▽7月13日 18日まで福島県で個人合宿。

▽同23日 東京五輪1年前でコメントを発表。「今僕ができることはコートに立ち結果を出すこと」などと語った。

▽9月1日 10日間の日本代表合宿に合流。7カ月ぶりの代表活動復帰となった。

▽同27日 日本協会の理事会で、10月13日開幕のデンマーク・オープン(オーデンセ)に桃田含む日本代表選手団を派遣することを決定。

▽10月2日 日本協会が桃田ら15選手がデンマーク・オープンの出場辞退を発表。同国での新型コロナウイルス感染再拡大を受け各所属チームから申し入れがあった。

▽11月18日 19年3月から12月の間にマークしたワールドツアー年間11勝がギネス世界記録に登録。「ギネス世界記録2021」(日本語版)に掲載された。

▽11月29日 ヨネックス社が千葉県内で開いた特別ルールの団体戦イベントに参加。主将としてプレーし、交通事故からの“復帰戦”で勝利した。

▽12月22日 全日本総合選手権での復帰前日にツイッターを更新。「皆さんに感謝の気持ちを持ち頑張ります」などとつづった。

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2020年12月23日のニュース