コロナ禍大変やねんから国は先を見据えてや

[ 2020年12月23日 05:30 ]

前関学大アメリカンフットボール部監督・鳥内秀晃氏
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 【名将鳥内秀晃の人間話 頼むでホンマ】今年はコロナに明けて、コロナに暮れた一年やったな。ちょうど1年前に中国でウイルスが出始めて。すぐに日本も影響が出るの分かってたのに、常に政府の対応は後手に回っとるわ。

 今も、感染者が増えてえらいことなってるやん。いつも思うんは、何でもっとうまいこと説明でけへんのやろって。例えば、医療崩壊があちこちで起きてて、ベッドの空きの数を言うてるやん。実際には、重症者に使える数自体はそんなに多くないのに、何でハッキリ言わへんのやろ。「状況がさらに悪化したら、交通事故とか、他の重病の患者さんがオペでけへん状況になるで」という言い方してくれたら、「お医者さん、看護婦さん、大変やねんな」と実感できるやん。

 感染者数かて、検査の数が増えたら、増えるに決まってんねん。せやから、「感染者が増えたら重症者も増えるから、どんどん受け入れるベッドが少なくなりますよ」と言うたったら、日本人は規律を守れるねんから、国民はもっと気をつけると思うけどなあ。

 あと、政府は真っ先に病院経営へお金を回さなあかんのとちゃう?コロナの重篤患者を受け入れる病院は少ないし、経費もかかるねん。病床数を増やすためにも、そういうとこへお金をつぎこまなあかんわ。すでに手遅れ気味やけどな。けど、こんなこと起こる可能性、毎年のようにあるで。国民の生命と財産を守るいうてんのに、ベッドがないから入院できませんっていう事態はおかしいわな、どう考えても。

 やっぱりな、日本という国は、危機管理が全くなってないねん。地震や台風、大雨のような自然災害が毎年のようにあるのに、今でもすぐに対応でけへんわけやろ。一体、ああいう災害から何を学んできてん?それとな、弱者に対しての気配りがなさすぎるわ。今は父子家庭や母子家庭が増えとって、大変な思いして生きてる人とか、自分の力でどうにもならへん状況にいる人とかいっぱい、いてはんねん。まず、そういう人を救ってあげるのが政治家の仕事なんちゃうかな。そういうこともでけへんのに、「国民の生命と財産を」と簡単に言わんといてほしいわ。

 ホンマにコロナ禍でみんな大変な思いしてんねんから、国は先を見据えてちゃんとして。頼むで、ホンマ。(関西学院大アメリカンフットボール部前監督)

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2020年12月23日のニュース