村上茉愛が個人総合V「自分で褒めたい」跳馬でバイルス級のハイスコア

[ 2020年12月12日 14:39 ]

体操・全日本選手権第3日 ( 2020年12月12日    群馬・高崎アリーナ )

<第74回全日本体操個人総合・種目別選手権 3日目>女子決勝、個人総合優勝を果たし笑顔を見せる村上茉愛(撮影・会津 智海)
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 女子決勝が行われ、個人総合は村上茉愛(日体ク)が57・032点をマークし、10日の予選(55・065点)との合計を112・097点とし、2年ぶり4度目の日本一に輝いた。

 「久々の試合で、ここまでできたのを自分で褒めたい。すごくいい試合だったし、試合ができてうれしかった」

 見せ場はいきなりやってきた。大技「チュソビチナ」に挑んだ1種目目の跳馬。予選ではラインオーバーがあって14・400点だったが、この日は着地した後に両足がわずかに左に動いただけでまとめ、15・200点を叩き出した。16年リオ五輪4冠のシモーン・バイルス(米国)は、5冠を達成した19年世界選手権の個人総合決勝の跳馬で15・233点。1種目とはいえ、最強女王に肉薄するハイスコアだった。村上は段違い平行棒も制し、2冠を達成した。

 昨年は腰痛でNHK杯を棄権して世界選手権代表を逃すなど、苦しいシーズンを送った。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で自粛を強いられた今春、体操から離れることで腰などの不安を解消できた。「練習ができない分、痛いところがなくなってくる」。縄跳びやバドミントンなどで心肺機能を維持。東京五輪の延期決定で心が荒れたこともあったが、練習再開後は心身のバランスを整え、体操と向き合ってきた。

 今年の練習始めだった1月5日、東京五輪での目標に団体総合、個人総合、種目別の床運動と平均台でのメダル獲得を掲げた。夢舞台は1年延期となっても、ターゲットはぶれない。「目標自体は何も変わらない。新しく挑戦できる技も習得できているし、強くなれている。もっと上を目指していけると思う」。日本女子のエースが、理想への歩みを続ける。

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