日体大・花田 36年ぶり大学1年生でアマ横綱 「勝つために来て勝ちました」

[ 2020年12月7日 05:30 ]

相撲・第69回全日本選手権 ( 2020年12月6日    東京・両国国技館 )

初優勝した日体大1年・花田(共同)
Photo By 共同

 花田秀虎(日体大1年)が決勝で山口怜央(近大4年)を押し出しで破り、初優勝を飾った。大学1年でのアマチュア横綱は、高校3年から2連覇した84年の久嶋啓太(当時日大、のちに大相撲の元幕内久島海=故人)以来36年ぶり2人目。同じ和歌山県出身の先輩に匹敵する快挙を達成した。

 大学1年ということを感じさせない、花田の落ち着きぶりだった。決勝は左前まわし、右喉輪で圧倒。感情は表に出さず、インタビューでは「斉藤監督の言葉を借りれば“勝つために来て勝ちました”」と言ってのけた。

 和歌山商から今春、日体大に進んだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響ですぐに休校となった。帰省し、母校で稽古を積むとともに、和歌山工でレスリングなどの練習にも参加。違う競技を学び、瞬発力などがアップした。この日は「どんどん動きがよくなった」と一番ごとに力強さが増していった。

 36年前に偉業を達成した久嶋は和歌山・新宮高3年でアマ横綱となり、日大1年で連覇。大相撲では久島海のしこ名で活躍し、引退後は田子ノ浦部屋を起こした。花田は小2の頃、部屋宿舎を訪れ、指導を受けていたという。高校時代は動画を何回も見て、アマ横綱が目標になった。

 目標を達成したが、ここが頂点ではない。将来のプロ入りを見据える花田の座右の銘は「人生死ぬまで通過点」。ビッグタイトルも始まりにすぎない。(佐藤 博之)

 ◆花田 秀虎(はなだ・ひでとら)2001年(平13)10月30日生まれ、和歌山県出身の19歳。小学2年でレスリング、柔道と並行して相撲を始め、中学から相撲に専念。和歌山商では18、19年の世界ジュニア選手権無差別級で2連覇を達成。日体大では今年の全国学生個人体重別選手権135キロ未満級で優勝。1メートル84、138キロ。

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2020年12月7日のニュース