自転車ロードレース東京五輪代表4選手決定 増田、コロナ禍“選考ランク漏れ”も逆転切符

[ 2020年11月5日 05:30 ]

ロードレース東京五輪代表の(左上から時計回り)新城幸也、増田成幸、金子広美、与那嶺恵理
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 日本自転車競技連盟は4日、東京五輪のロードレース代表4選手を発表した。男子では3大会連続の新城幸也(36=バーレーン・マクラーレン)と、2枠目に増田成幸(37=宇都宮ブリッツェン)が滑り込んだ。増田は新型コロナウイルスの影響により変更となった選考基準を不当として日本スポーツ仲裁機構に申し立てたが、棄却。代表圏外の3番手にはじき出されながら海外での選考対象レースに強行参戦し、自力で五輪切符を獲得した。

 崖っ縁から夢舞台への切符をもぎ取った。男子2枠目の代表に滑り込んだ増田は「大変光栄です。一方で、身が引き締まる思いです。日本代表の名に恥じないような走りができるように精進いたします」と喜びのコメントを発表した。

 コロナ禍の影響をもろに受けた。5月末までの選考ランキングで2枠の代表を決めるはずが、同ツアーの中断などで代表選考期間が10月17日まで延長に。2番手につけていた増田が主戦場とする国内は大会が軒並み中止となる一方、海外を拠点とする3位の中根英登はポイントを上積み。順位は入れ替わった。

 増田は選考基準が不当として日本スポーツ仲裁機構に仲裁を申し立てたが、棄却された。「どう戦っていけばいいか整理がつかない」と吐露したが、ラストチャンスとなる10月12日のスペインでの対象大会に電撃参戦。ポイント加算となる20位に入って再逆転し、乾坤一擲(けんこんいってき)の大勝負に勝った。コロナ禍で狂わされた歯車を戻した執念はきっと、初の五輪舞台でも存分に生かされるはずだ。

 ▼新城幸也 自国開催の五輪を自分が現役選手の時に迎えられることは運命。世界中が大変な状況下で競技を続けられる環境に感謝し、最高のパフォーマンスを発揮するだけです。
 ▼与那嶺恵理 全てを力に変えて。
 ▼金子広美 ここまで走れる環境を用意してくれた、全ての方々に感謝。与えられたチャンスに向けて、次につながるきっかけとなる走りができるように、しっかりとトレーニングを重ねていきます。

 ◆新城 幸也(あらしろ・ゆきや)1984年(昭59)9月22日生まれ、沖縄県石垣市出身の36歳。八重山高卒業後、本格的に競技を始める。12年ロンドン五輪ロードレース48位、16年リオデジャネイロ五輪同種目27位。バーレーン・マクラーレン所属。1メートル70、64キロ。

 ◆増田 成幸(ますだ・なりゆき)1983年(昭58)10月23日生まれ、仙台市出身の37歳。日大在学中に本格的に競技を始めた。19年全日本選手権個人タイムトライアル優勝。宇都宮ブリッツェン所属。1メートル76、61キロ。

 ◆与那嶺 恵理(よなみね・えり)1991年(平3)4月25日生まれ、堺市出身の29歳。神戸女学院高から筑波大に進み、現在はアレ・BTCリュブリャナ所属。16年リオデジャネイロ五輪ロードレース17位、タイムトライアル15位。全日本選手権ロードレース4連覇中。1メートル61、50キロ。

 ◆金子 広美(かねこ・ひろみ)1980年(昭55)9月9日生まれ、宮城県出身の40歳。白河二高(福島)を卒業し、結婚を機に24歳からマウンテンバイクを始める。18、19年と全日本選手権ロードレースで2位となり世界選手権代表。イナーメ信濃山形所属。1メートル70、51キロ。

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