西村優菜 6打差逆転初V! 1メートル50の小兵がつかんだ大きな1勝「想像以上のゴルフができた」

[ 2020年11月2日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディース最終日 ( 2020年11月1日    埼玉・武蔵丘GC=6585ヤード、パー72 )

優勝トロフィーにキスする西村優菜(撮影・西尾 大助)
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 首位に6打差の3位から出たプロ1年目の西村優菜(20=フリー)が8バーディー、1ボギーの65をマークし、通算11アンダーで初優勝した。16番で首位から出た「黄金世代」の勝みなみ(22=明治安田生命)に並び、18番のバーディーで逆転した。2000年度生まれの「ミレニアム世代」からは古江彩佳に次いで2人目のツアー制覇。1メートル50の優勝者はツアー3勝の1メートル49の馬場ゆかりに次ぐ2番目の低身長。小兵が大きな1勝を手にした。

 6打差をひっくり返しての初優勝。「自分の想像以上のゴルフができて、優勝できたのはうれしい。強い気持ちでプレーできたのは凄い成長した部分」と西村は最高の笑みを浮かべた。

 プロ1年目とは思えない冷静な試合運びだった。16番で2・5メートルを沈めて通算10アンダーで首位の勝に並び、迎えた18番パー5。第2打を得意とするピンまで80ヤードの距離に刻む予定が「ダフってしまった」と115ヤードを残した。しかし、第3打はPWでピンの左横1メートルにピタリ。「この日一番のプレー」を土壇場で繰り出し、優勝をたぐり寄せた。

 1カ月前の反省を生かした。9月の日本女子プロ選手権。単独首位で最終日を迎えながら7位に沈んだ。スコアを意識するなど追われる立場での難しさを経験し「もう守りのゴルフはしない」と固く誓った。「攻めのゴルフ」を心掛け、バック9で5バーディー。同組で回ったツアー4勝の勝みなみ、元世界1位の申ジエのお株を奪うような猛チャージを見せ、「強い気持ちでプレーできたのは、女子プロ選手権があったからこそ」と振り返った。

 ミレニアム世代では古江彩佳が2勝を挙げて先頭を走る。「ともに(優勝を)間近で見てて大きな刺激を受けた」。フェアウエーキープ率75・8503%はツアー全体で3位。平均230ヤード超の飛距離をカバーするため、安定したショット力に磨きをかけ同世代での2人目のツアーウイナーとなった。「どんどん強くなって、上位争いして、大会を盛り上げられる選手になりたい」。今の女子ゴルフ界を象徴するかのような新興勢力の圧巻ショーだった。

 ◆勝者のクラブ ▼1W=キャロウェイ・マーベリック サブゼロ(ロフト角9度、シャフトの硬さSR、長さ45インチ)▼3、5W=キャロウェイ・マーベリック MAX(16、19度)▼7、9W=キャロウェイ・グレートビッグバーサ(21、24度)▼UT=キャロウェイ・APEX▼6I~PW=キャロウェイ・Xフォージド▼ウエッジ=キャロウェイ・JAWS(50、58度)▼パター=オデッセイ・オーワークス▼ボール=キャロウェイ・クロムソフトX

 《スポーツ界で活躍する小兵選手》男子ゴルフでは昨年のKBCオーガスタを制した比嘉一貴が99年のJGTO発足以降で最も低い1メートル58での優勝選手となった。1メートル65の今平周吾は18、19年に歴代で最も身長の低い賞金王になった。今季のプロ野球の登録選手では、西武の水口大地内野手の1メートル63が最も低く、Jリーグでは湘南のMF中川寛斗の1メートル55が最低身となっている。

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