駒大、復活の日本一!最多13度目「平成の常勝軍団」が6年ぶり歓喜

[ 2020年11月2日 05:30 ]

全日本大学駅伝 ( 2020年11月1日    愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮の8区間106・8キロ、スタート時の天候=晴れ、湿度67%、北の風2・1メートル )

優勝のゴールテープを切る駒大・田沢
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 駒大が大会新記録となる5時間11分8秒で、最多優勝記録を更新する13度目の優勝を6年ぶりに飾った。2区でシード圏外の9位まで落ちたが、アンカー田沢廉(2年)へ3位でつなぐと、最後は東海大とのデッドヒートを制し、正月の箱根駅伝優勝に弾みを付けた。2連覇を狙った東海大が2位。3位には明大、2年ぶりの優勝を目指した青学大は4位。新型コロナウイルス感染拡大の影響で10月の出雲全日本大学選抜駅伝が中止になり、今大会が「大学3大駅伝」の初戦だった。

 コロナ禍でスポーツ界を覆う重苦しい空気を藤色旋風が吹き飛ばした。最終8区。残り1キロ付近で、若きエースの田沢が仕掛けると、昨年MVPを獲得した東海大の名取燎太(4年)を一気に振り切った。「優勝テープを切ることを一つの目標としてやってきた。無事に達成できて良かった」。名門復活ののろしともとれる豪快な雄叫びを上げながらフィニッシュラインに飛び込んだ。

 「平成の駅伝王者」から新時代の覇者への第一歩を踏み出した。コロナ禍で競技会の中止が相次いだ異例のシーズン。外出自粛期間には大学のグラウンドが使用不可となり、大学付近の河川敷を走るなど他校と同様に苦しい時期を経験した。練習メニューも従来仕様からスピード練習と距離走のバランスを変えるなどしてコロナ禍に対応。朝練習では今年62歳を迎えた大八木弘明監督自ら自転車をこいで選手に奮起を促した。「年はいっているが俺も一生懸命やっているんだと姿勢を見せて頑張って指導していた。今年は本気になって取り組んだ」と目の色を変えて苦境を乗り越えてきた。

 駒大が全日本の次に目指すのは08年の優勝以来遠ざかっている天下の険・箱根の頂だ。19歳の田沢は「箱根はどの区間を任されても区間記録を狙う」と、同大OBで東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(28=富士通)のような大エースの風格を漂わせるなど戦闘態勢は整った。箱根駅伝4連覇を達成した往年の駒大復活を狙う指揮官は「駒大も落ちていた時期があったが、これから令和の常勝軍団をつくりたい」と名門の完全復活を誓った。

 ▽学生駅伝の駒大 学生3大駅伝(出雲、全日本、箱根)で挙げた22勝は単独最多。箱根駅伝では02年から4年連続総合優勝を果たすなど、無類の強さを誇ったことから「平成の常勝軍団」「駅伝王者」などと呼ばれた。OBには東京五輪男子マラソン代表の中村匠吾(富士通)や村山謙太(旭化成)、世界選手権男子マラソン6位入賞の藤田敦史らがいる。

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