“女王”森ひかる 号泣8位…コロナ禍で調整不足響きミスミス 5本目着地失敗で演技中断

[ 2020年11月2日 05:30 ]

トランポリン全日本選手権最終日 ( 2020年11月1日    三重県・四日市市総合体育館 )

女子個人で8位に終わり、記者会見で涙を流す森ひかる
Photo By 共同

女子個人決勝では、東京五輪出場が決まっている19年世界選手権女王の森ひかる(21=金沢学院大ク)が競技中断により8位に終わった。新型コロナウイルスによる五輪延期でモチベーション維持に苦しんでおり、試合後は涙を流した。女子は佐竹玲奈(25=アポロメディカル)、男子は西岡隆成(17=キタイスポーツク)がともに初優勝した。

 世界女王の森が、まさかのミスで優勝を逃した。予選、準決勝とも難なく首位通過。だが、上位8人による決勝では全10本の演技を行う中、5本目の着地でバランスを崩した。そのまま演技中断を余儀なくされ、8位だった。難度を落としての演技だが、昨年の世界選手権以来、11カ月ぶりのトップ級が集う公式戦で試合勘が鈍っていた。

 試合後の会見では涙があふれた。コロナ禍で五輪が延期。「凄く凄く苦しかった。(状態を)どうやって上げていければいいか、試合もいつ始まるのか。五輪が本当にあるのかないのか分からなかった。先が見えない状況でした」。一時は試合予定も空白となり、練習に集中できなかった。今大会に向けても「頭で分かっていても体が動かないのが苦しかった」と明かした。

 年内は12月12日からジャパン・オープン(神奈川)がある。コロナ禍で狂った歯車は自身の力で戻すしかない。「この1年があったからよかったと思えるように」。メダル候補の日本のエースは、必死に前を向いた。

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月2日のニュース