田中希実 女子800Mを転倒しながら波瀾万丈V「しんどすぎて…」

[ 2020年10月24日 17:26 ]

陸上・木南道孝記念 ( 2020年10月24日    大阪市・ヤンマースタジアム長居 )

<木南道孝記念陸上 女子800メートル>1着でゴールするも転倒する田中希実(撮影・北條 貴史)
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 女子800メートル(タイムレース)は、田中希実(21=豊田自動織機TC)が“波瀾万丈V”を収めた。日本選手権と同じく、計画的に1周目は出遅れ、集団から離れてポツンと最後方を走った。1周目の直線から徐々にペースを上げ、残り200メートルでトップに立った。グングン加速。このまま突き抜けるかと思われたが、体内の乳酸値が限界に達したか、ゴールが近付くにつれて急失速。足がもつれ、つんのめり、顔を地面に打ち付けるようにしてゴールした。

 猛追して2位だった日本選手権女王の川田朱夏との差は、わずか0秒06の2分6秒72。日本選手権4位の悔しさを晴らしたとはいえ、左膝と左腰をすりむき、痛々しい姿だった。

 「しんどすぎて終盤は覚えていない。勝ちたい思いが強かった。ラスト100メートルは後ろが近付いていたのを感じていた。あそこまで足が出なかったのは初めてでした」

 体半分がゴールラインをかろうじて超えていた。ルールは、胴体部分がフィニッシュラインを超えていなければならず、倒れ込むのがもう少し早ければ、首か顔のみが超えた形になり、川田に敗れていた。

 「ギリギリでラインを超えている状態だった。これはどうなんだろう、と思ったけど、負けても力を出し切って負けたのだから、今回は最下位でも悔いはないと思った。それで優勝できたのでうれしい。でも、私は足が止まってしまって、たまたまラインを超えていた。最後まで走りきった川田さんの方が力が上。まだまだ力を付けないといけない」

 同学年の相手を称えながら、反省を忘れなかった。12月4日にこの会場で行われる日本選手権長距離で、5000メートルの東京五輪代表を狙う。

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2020年10月24日のニュース