ラグビー日本代表・姫野和樹 “5ツール”万能型へ進化誓う 1月からSRハイランダーズへ移籍

[ 2020年10月23日 05:30 ]

万能型選手へと成長することを誓った姫野
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 ラグビー日本代表で21年1月から1シーズン、スーパーラグビー(SR)のハイランダーズ(ニュージーランド)に期限付き移籍するNo・8/フランカーの姫野和樹(26=トヨタ自動車)が22日、オンライン会見に臨んだ。ラグビー王国ではパスやランニングスキルなど、現在の自身に足りない部分を伸ばしたいと強調。次期代表主将を嘱望される大器が、万能選手となって日本に帰ってくることを誓った。

 多くのファンが、誰よりも本人が望み、実現する挑戦。姫野はその大義を「ラグビーを日本になくてはならない存在にするためにも、海外挑戦のチャンスをつかみ、日本に大きなものをもたらしたいと思った」と語るとともに、王国で伸ばすべきポイントを挙げた。

 目指すは全てを兼ね備えたラグビー界の“5ツール”プレーヤーだ。昨年のW杯ではジャッカルやタックルに象徴される防御力や、力強いボールキャリーで攻撃力が世界レベルにあることを証明。一方で「オフロードパスのようなスキルや、ニュージーランドの選手には見えているサポートコースなどを伸ばしたい」と明言。技術と走力を磨き上げる。

 W杯準々決勝の南アフリカ戦では「レベルの高いゲームを1週間ずつこなすことが初体験。満身創痍(そうい)で自分のプレーができなかった」と痛感。タフさも成長の余地があると自己分析する。そこで優勝とともに「全試合出場」を目標に設定。1シーズン、ケガなく戦い続ける体づくりも王国で吸収する。

 トヨタ自動車では1年目から主将に抜てきされたように、強いリーダーシップも姫野の大きな武器だ。ハイランダーズには再び“新人”として飛び込むが「リーダーとしても引っ張れる存在になりたい」と断言。日常生活では英会話能力も磨く考えで、プレーと言葉でチームを引っ張れる存在となれば、いよいよ次期代表主将就任は現実味を帯びてくる。

 来季のチームを率いるのは日本代表のトニー・ブラウン・コーチで、本拠地ダニーデンはジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチが在住する。まさにうってつけの地で、日本ラグビー界の未来を背負う男がスケールアップを図る。 

 ◆姫野 和樹(ひめの・かずき)1994年(平6)7月27日生まれ、名古屋市出身の26歳。中学からラグビーを始め、春日丘(現中部大春日丘)で花園を経験。帝京大を経て17年4月にトヨタ自動車入りし、1年目から主将を務める。同年11月のオーストラリア戦で日本代表初キャップを獲得し、通算17キャップ、4トライ。昨年のW杯では全5試合に先発出場。1メートル87、112キロ。ポジションはNo・8/フランカー。

 ▽21年のスーパーラグビー 新型コロナウイルスの影響で、20年のSRは3月途中で打ち切り。感染者数を世界で最も低い水準に抑えられたニュージーランドでは、6月中旬から「SRアオテアロア(マオリ語でニュージーランドの意)」として国内5チームによる大会を開催。現段階で大会主催者による公式発表はないが、来年も国内5チームによる大会として開催される見通し。今年はなかったプレーオフも実施予定となっている。

 ▽ハイランダーズ スーパーラグビーに参戦するニュージーランド拠点5チームのうちの一つで96年創設。本拠地は南島南東部のダニーデン。11~16年にはジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチが指揮を執り、15年に初めてリーグを制覇。13~16年には日本代表SH田中史朗が所属。現在の主な所属選手はSHアーロン・スミス、FLシャノン・フリゼル(いずれも現ニュージーランド代表)ら。来季は日本代表のトニー・ブラウン・コーチがヘッドコーチを務める。

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