ラグビーを“国技”に 姫野和樹 NZ挑戦の大義語った

[ 2020年10月22日 19:20 ]

オンライン会見でハイランダーズ期限付き移籍の理由などを語った姫野和樹
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 ラグビー日本代表で、来年1月からスーパーラグビー(SR)のハイランダーズ(ニュージーランド)に期限付き移籍するNo・8/フランカーの姫野和樹(26=トヨタ自動車)が22日、オンライン会見に臨み、海外挑戦を決めた経緯などを明かした。

 挑戦の原点となった思いは、以前から持ち続ける「ラグビーを日本になくてはならない存在にするため」だと強調。昨年のW杯を通じてその思いを強くしたという。日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチやリーチ・マイケル主将(東芝)からも挑戦を後押しされたといい、リーチからは「ヒメならやれる」と太鼓判を押されたという。

 ラグビー王国で伸ばしたい点としては、「オフロードパスなどのスキルや、サポートコース(取り)」を挙げた。W杯ではタックルやジャッカル、力強いボールキャリーで日本の8強入りに貢献したが、まだまだ成長の余地があると自己分析。英語圏での生活で「英語能力を伸ばしたい」と意欲的だった。

 姫野の質疑応答内容は以下の通り。

 ―スーパーラグビーに挑戦しようと思ったきっかけは。
 「今後、自分の夢である、ラグビーを日本になくてはならない存在にするためにも、海外挑戦のチャンスをつかみ、日本に大きなものをもたらしたいと思った。あちらで活躍し、勇気、感動を感じる子ども、選手がいればいいと思う。自分が成長する上でも、ハングリーにプレーすることが大事だと思った」

 ―いつごろから海外挑戦の夢を持っていたのか。
 「昔から海外に行きたい思いはあったが、W杯という舞台を経てから思いは強くなった」

 ―スーパーラグビーのイメージは。
 「凄くレベルが高い。アオテアロア(今年6月中旬から開催されたニュージーランドの国内大会)を見てもそうだし、自分が持ってないものを持っている選手が多い。何かを得て日本に帰ってくると期待してもらっていい」

 ―どんな部分を成長させたいか。
 「一つは英語能力を伸ばしたいし、プレーでいうとオフロードパスなどのスキル。サポートコースなど、ニュージーランドの選手には見えていて、僕には見えていないものを伸ばしたいと考えている」

 ―数あるチームからハイランダーズを選んだ決め手は。
 「ブラウニー(日本代表のトニー・ブラウン・コーチ。21年はハイランダーズのヘッドコーチに就任)もいるし、S&Cのコーチもいる。そういうところも選んだ理由。(ブラウンは)僕のことをよく知っているし、足りないものを知っていると思う。さらに伸ばすためにも、理解している人がいるのは大きいと思った」

 ―ポジションへのこだわりは。
 「特にないです。試合に出ることが第一優先。ロックと言われれば準備するし、フランカーでも出る。まず試合に出ることが優先」

 ―海外挑戦に当たり、誰かに相談はしたか。
 「(トヨタ自動車のスティーブ)ハンセン(ディレクター)もそうだし、(サイモン)クロン(ヘッドコーチ)もそうだし、ジェイミー(ジョセフ日本代表ヘッドコーチ)にも相談した。アドバイスはそれぞれ違ったが、そういう方のアドバイスを受けて、残るか海外にいくかを決めた。(オーストラリア代表主将の)フーパーも来るし、ステイ(日本に残ること)もプラスになると思ったので悩んだが、いろんなことを考ええると、海外に出た方が大きなものを得られると思った」

 ―トヨタ自動車での4年間を振り返って。
 「この4年間がなければ今の自分はなかった。人として、選手として大きく成長できた。本当にトヨタ自動車に感謝しているし、挑戦を受けて、豊田章男社長からも“どんどん海外に出て活躍をすべきだ”と言われて、やることが明確になった。送り出してくれる関係者、会社には感謝でいっぱい」

 ―誰が特に海外挑戦を勧めたか。
 「やはりトヨタ自動車のコーチは残ってほしいと言われた。フーパーに学ぶことは大きいと、ハンセンも言っていた。(ニュージーランド前主将の)リードもいる。トヨタ自動車の首脳陣はそういう見解だった。ジェイミーからは海外挑戦が大事と言われた。代表ヘッドコーチとしては、今季(21年)、行ってほしいと。来年度は代表活動(のウエートが)が大きくなるので、そこで不在は代表ヘッドコーチとしては嫌だなと。僕的にも再来年は(日本の)新リーグがあるので、今季がチャンスかなと思った」

 ―昨日、来年6月に日本代表と全英アイルランド代表ライオンズとの対戦が決まったが。
 「やるのはうわさではぼちぼち聞いていた。SNSで知って、驚いた。こういうレベルの高いチームとどんどん戦えることは、日本にとっても重要。W杯の成績を見て、世界のチームから認められていると感じる」

 ―昨年のW杯の準々決勝で、南アフリカに敗れたことが、今回の挑戦に影響したのか。
 「もちろんある。というのは南アフリカ戦まで、モチベーションというよりは、コンディションが維持できなかった。あれだけレベルの高いゲームを1週間ずつこなすことも初体験だった。満身創痍(そうい)で、全然自分のプレーができなかった。もっと強くなりたいという向上心が強くなった。スーパーラグビーというレベルの高いところで、毎週準備して戦うことはメリットがあると感じた」

 ―過去に海外のスーパーラグビーチームでプレーしたリーチや田中史朗からの助言は。
 「リーチさんには相談した。行くべきだと言ってくれた。ヒメならやれるからと。堀江さんにも後押ししていただいたりとか、いろんな選手に後押しいただいた。フミさん(田中史朗)はテレビ出演で忙しくて、相談できなかった(笑い)」

 ―欧州に挑戦する気持ちはあったのか。
 「行ってみたい気持ちはある。フランスリーグも経験したいと感じる。ただ、今の自分に必要なのはスーパーラグビーだと思った」

 ―FWとして得たいもの、やりたいこと、すでに通用するところは。
 「オフロードパスや、パスのもらい方は吸収したい。自分の得意プレーであるボールキャリーやブレークダウン、タックルなどの強みを理解して伸ばしつつ、持っていないものを手に入れたい」

 ―チームの一員としてかなえたい目標は。
 「全試合に出場することを目標にしているし、チームとしては優勝を掲げていると思う。この2つがあっちでの目標。自分のパッションだったり、リーダーシップも発揮できるようして、チームに貢献できたらと思う。リーダーとしても引っ張れる存在になりたい」

 ―一番成長を期待する部分は。
 「スキルを向上させたい。パスもそうだし、FWだけどバックスのようなプレーができるように。ステップ切るとか、裏に抜けるとか。そういうところのスキル(の成長)は期待している」

 ―もしサンウルブズがスーパーラグビー参戦を継続していたら、今回の挑戦はあったのか。
 「選択肢としては(サンウルブズでのプレーを)考えていたと思うが、英語能力とか、居心地のいいところを抜けるとか、チームの中の競争に勝つというところは(日本に残ると)体験できない部分。そこが魅力的だった」

 ―得意のジャッカルはどう磨きを掛けて行くのか。
 「自分の強みではあるが、ニュージーランドの選手もうまい選手がいるので、そういう選手から吸収することもできる。かつ大きい選手もたくさんいるので、そういう選手からもボールを取れるかを試したい」

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