コロナ時代のラグビー開幕!筑波大 ぶっつけ“KO”発進 夏合宿&対外試合なしでも快勝

[ 2020年10月5日 05:30 ]

関東大学ラグビー対抗戦A   筑波大30―19慶大 ( 2020年10月4日    秩父宮 )

<慶大・筑波大>後半20分、トライを決める筑波大・植村(右)(撮影・吉田 剛)
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 関東大学ラグビーは対抗戦Aグループ、リーグ戦1部ともに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年より約1カ月遅れで一斉に開幕した。昨年のW杯で日本中を熱狂させたラグビーだが、今年の日本代表戦は全て中止となり、トップリーグの開幕は来年1月を予定。今年2月から止まっていた国内トップカテゴリーの公式戦が、ようやく再開を果たした。開幕試合は筑波大が慶大を30―19で破った。

 ソーシャルディスタンスを保ちながら、上限5000人のスタンドいっぱいに広がった観客の存在がうれしかった。好プレーをすれば、拍手と思わず出てしまう歓声が耳に心地良く届く。おまけに開幕試合で快勝。筑波大で指揮を執って2年目の嶋崎達也監督は「何よりいろんな関係者が(公式戦実現に)動いてくださって感謝している」としみじみ語った。

 どのチームもコロナ禍で活動が制約された中、筑波大はようやく8月に全体練習を再開。例年実施している夏合宿や対外試合も行えずに開幕を迎えた。しかも例年同様に序盤に強豪との試合が続く上、開幕が1カ月遅れの今年度は慶大、帝京大、明大と中6日で3連戦。それでも嶋崎監督は「この3試合をどう戦うかは7、8月の段階でリーダー陣と共有していた」と話した。

 CTB岡崎主将(4年)が「練習中にBチームが仮想慶大のディフェンスをやってくれた」と振り返ったように、限られた時間で尽くした対策がズバリはまった。その上、前日に急きょ繰り上がった対抗戦初先発のFB植村(2年)が、後半にいずれも30メートル以上を走りきって2トライをマーク。指揮官も「若さをいいプレーとして出してくれた」と期待に応えた15番を称えた。

 観客には検温と消毒が義務づけられ、試合中には大型ビジョンにマスク着用などの呼びかけが行われた。試合後の両チーム懇親会も、今年度は実施なし。異例づくしのシーズンだが、「チーム目標として“ハード”を掲げている。全員がハードしきったことで、この結果が得られた」と岡崎主将。ウィズコロナの時代でも若きラガーの熱き魂は不変だった。

 ▽今年度の関東大学ラグビー 例年は9月初旬に開幕するが、今年は約1カ月遅れでスタート。そのため対抗戦Aグループ、リーグ戦1部ともに、各大学が9週間で7試合をこなす過密日程が組まれた。全56試合中、29試合は無観客開催。開幕後に2校以上が出場辞退を申し入れた場合は打ち切り。各校4試合以上を消化した場合は成立とみなし、順位を決定する。また不戦勝・不戦敗が発生した場合を想定し、これまで勝ち数で順位決定していた対抗戦でも、勝ち点制が導入された。

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